地下道-3150みなおしウィーク!
こんばんは、ウラロジ仙台編集部・花です。
2022〜2023年10月にウラロジ仙台が青葉通地下道で主催してきた「地下道-3150」。2024年度はマーケットやイベントとして現地開催はいたしません。とある事情により青葉通地下道が使えないことが判明し、イベント開催を断念いたしました。そこで、会場の「地下道-3150」に込めてきた想いや、青葉通地下道にまつわる話題を掘り下げてお届けする「地下道-3704(みなおし)」企画を展開しています。
地下道-3150メインビジュアル担当・亀井桃さん&イラストカット担当・亀山さんへWインタビュー
第1回と第2回の「地下道-3150」メインビジュアルを担当した亀井桃さんは大崎市出身。そして第2回の「地下道-3150」でのイラストカットを担当した亀山さんは石巻在住。
「宮城にゆかりのあるクリエイター」「偶然にも地下道開催時点で<亀>の字がペンネームに入っている」共通項のあるお二人から、制作のスタンス、今後の展望などをインタビュー形式でお聞きしました。

亀井桃
宮城県出身。イラストレーター/デザイナー。
「地下道-3150」メインビジュアルをはじめ、宮城県の企業の広告イラスト等を数多く手掛ける。
ホームページ
https://momo-kamei-1.jimdosite.com/

亀山
宮城県出身。第2回の「地下道-3150」でのイラストカットを担当。
オリジナルキャラクター代表作「いくよちゃん」等デフォルメのイラストを制作。
Xアカウント
https://x.com/kameyamarcos
青葉通地下道の印象
ーお二人は「地下道-3150」でイラスト制作を手掛けていますが、青葉通地下道にはどのようなイメージを抱いていますか?
▲亀井桃さんが手掛けたメインビジュアル
亀山さん:私は仙台に行く機会があまりなくて、 実は2023年の地下道-3150の時に、ほぼ初めて通ったんです。初めて行く場所だったので辿り着くのに必死でゆっくり歩き回る余裕がなかったのですが、展示ギャラリーがあって良いなと思いました。
もともと第1回「地下道-3150」の開催を知っていて興味を持っていたので、イラストの依頼が来た時はすごく嬉しかったです!
▲亀山さんが手掛けたカットイラスト
亀井桃さん(以下桃さん):横断歩道を渡るのがめんどくさくてあの地下道を通ることがあったんですが、あそこに展示されている地域の方々が手掛けた芸術作品を見るのが結構好きです。ホームレスの方とかがいたりする感じも割と好きで、独特な場所で面白いなと私は思ってましたね。
そして、今後はどういうふうに地下道が使われていくんだろうと疑問に思っています。噴水がなくなったり、最近では ホームレスさん対策とかも結構厳しくなりましたよね。
ーそうですね、椅子に仕切りが立てられたり。
桃さん:そうなって、これからどういうふうにあの場所が変わってくるのかな、そもそも何のためにあったんだっけ、みたいなところを考えるようになりました。
イラストの制作について
ー制作のスタンスを教えてください。
桃さん:私は今のところ、ありがたいことに宮城の街の仕事だったりを多く依頼いただいていて。

「地下道-3150」もそうですけど、 その場所を利用するとか活性化させるために力増えさせていただくみたいなことがよくあるので、 そういったところにできる限り協力していきたい、地元のことに協力していきたいというスタンスで自分が描きたいものに対しての追求をしつつ、自分でも作品を作っていきたいなっていうのはいつも思っています。
亀山さん:趣味の範囲でのんびりと気が向くままにやっています。
ー亀山さんは最近、Xでインドの神様をモチーフにしたイラストを公開されていましたが、インド文化への興味、もしくはどこに魅力を感じてモチーフを選んだのでしょうか。

亀山さん:インド神話の斬新で壮大な世界観と個性豊かな神々の物語に強く惹かれ、ヒンドゥー教の文化や歴史に関心を持ちました。
まだインドの国に足を運んだことがなく知らないことばかりなので行けるなら行ってみたいです。でも難しそうだなと思います。一生行けないかもしれない。
最近作っている神様ステッカーは、国立民族学博物館の企画展「交感する神と人—ヒンドゥー神像の世界」を見に行った際に展示されていた神がみのステッカーから影響を受けて「私もこういうの欲しいな〜」と思い作りはじめたものです。
ー直近で「こんなテーマ/モチーフの絵を描き上げてみたい」というものはありますか。
亀山さん:一旦インド神話から離れて、中国や日本っぽいモチーフを描いてみたいなと、ぼんやり考えています。今月末(2025年4月)から少し忙しくなるので、合間に息抜きとして描きたいです。
ーお二人とも絵は独学なんですか?
亀山さん:イラストは完全に独学でやってます。最初からイラストを仕事にできると思ってなくて、絵画系の学校へ行ってみたいという憧れはあったんですけど、進路からは外していました。
桃さん:私も亀山さんと全く一緒で、自分が絵の学校に行けるって思わなかったので進路から外してました。後からやっぱり美大とか専門でも目指してればよかったと思う時もあったんですけど、今になってみると、多分学校に行かなかったからできることってすごいあると思っていて。
だから独学を突き詰めるのは、それはそれでかっこいい道だし、面白いことがたくさんあると思うので、今亀山さんのお話を聞いて、すごく嬉しくなりました。ぜひそのままやり続けて欲しいです!
亀山さん:ありがとうございます。桃さんにお聞きしたいのですが、イラストのお仕事をされて何年目になりますか?
桃さん:絵だけになってから、でいうと5年って感じですね。まさか自分が絵で仕事できるとは思ってもなかったんで、 他の音楽とかもやったりしつつ、ただ好きで描き続けてたんです。
たまたま飲食店で仕事をしてたときにメニューのイラストとかを描いたら、それを見てくれた人が増えて、個人依頼から仕事へ広がっていったんです。
だから、亀山さんもこれから何が起こるか分からないですし、 絵のタッチがすごい可愛いので、依頼の声が掛かることもあるかもしれませんね。
ーお二人は自分たちの作品制作にあたって影響を受けたカルチャーはありますか?宮城での生活も影響を受けているでしょうか。
亀山さん:生活の中の影響というのは特にありませんが、デフォルメタッチのイラストを描くようになったのは高校生ぐらいの時からなんですけど、海外のアニメ作品カートゥーンとかそういうものからの影響が強いかなと思います。
桃さん:仙台だと『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木先生が有名で、作品に仙台をモデルにした町が登場することもあって、コラボイベントがあると街が盛り上がって飾り付けとかされるじゃないですか。その経験で宮城に自信を持ったり影響を受けているかもしれません。
あとは南三陸や石巻などへもよく遊びに行っていたんですが、その辺りは自然が近いのもあって、自然からはすごく影響を受けていると感じます。自分の絵のどんな部分かっていうと難しいんですけど、自分の中では絶対そういうのがあるなって思っています。
ー今後、宮城県や仙台で「こういう仕事をしてみたい」というものはありますか。
桃さん:私の場合は現地で人に会えるのが嬉しいので、イベントに行って似顔絵を描いたり、現場でのお仕事をしたいですね。
代理店さんを通してのお仕事でポスターとかのお仕事はよくやるんですけど、現場系もちょっと増やしていけたらいいなと思ってます。
亀山さん:私は地元の石巻や仙台で作った雑貨や作品を販売するイベントとかやれたらいいなと、たまに思っています。
ー今回のインタビューの感想をお聞かせください。
桃さん:今回初めて亀山さんのお話しを聞いてみて、イベントとかがあれば一緒に作品交換できたら楽しそうだし、そういうのが楽しくて作り続けたいなと思うので、ぜひお会いしてみたいです。もっと作品についても見てみたくなりました。
絵が好きっていう同士として、ぜひお話してみたいです。
亀山さん:初めてのインタビューだったので緊張でずっと頭の中が真っ白でした。でも前からあちこちで活躍されていてカッコいいなと思っていた桃さんと今回このような形でお話しすることができてとても嬉しかったです。
ーウラロジ仙台読者に向けて、メッセージをお願いします。
桃さん:仙台だけに限らず、東北ってシャイな人が多いじゃないですか。イベントごとに参加することに対して「ちょっと恥ずかしくて」とかっていう人いますけど、ぜひ、イベントとかあったら、みんな来てくださいって言いたいですね。
あと、自分がやることにも躊躇しないでほしいというか。「地下道-3150」ってそういうイベントだったじゃないですか。自分がやる側でもいいし、もちろんお客さんでもいいし、どんどんみんなもっとチャレンジできたらいいなと思っています。
亀山さん:最近ステッカー作りにハマっています。新しいものができたらまた即売会などで売ろうと思っているのでその時はふらっと覗きに来てもらえたら嬉しいです。
執筆・編集:花