※本記事は検証企画「信号機が青いうちに横断歩道3つ全部渡りたい!」の後編にあたります。
以下の「前編」に一度目を通していただけると本記事をより楽しめますので、ぜひご覧になってくださいませ。
これまでのあらすじ
大沼です。
昨年・2024年8月に開催した「青葉通にまつわる理不尽なクイズ大会」で、企画参加者の一人である東北大学 動く会・佐々木さんが「路上での遊びのアイデア」として仰ったある一言がきっかけで始まりました。
【青葉通で遊ぼう!】読者の皆さんと青葉通にまつわる理不尽なクイズ大会やってみた
「青葉通のあたりの、歩行者信号機が青いうちに3つの横断歩道を全て渡りきれたら面白いですよね!」
それを聞いた時の衝撃は1年経っても忘れることができず。佐々木さん本人に許可とご協力を得て企画にしてしまいました。
前回は、そんな佐々木さん本人から直々に信号の渡り方を伝授していただき、いとも簡単に目標を達成してしまったのでした。
そして、今回は佐々木さんから継承した信号の渡り方の極意を実践して、別エリアでも止まることなく見事に信号を渡り切りたいと思います!
歩行者信号機が青いうちに
3つの横断歩道全部渡りたい!!
後編スタート!
〜表コース紹介と試行錯誤〜
今回挑戦したエリアは仙台駅東口・ヨドバシカメラ前〜チサンマンション第三仙台の入口までです。チサンマンション第三仙台には日頃ウラロジ仙台もお世話になっているNPO法人メディアージ(https://mediage.org/about-us)※さんの事務所があります。
※NPO法人メディアージ:仙台市若林区新寺1丁目6-8 チサンマンション第三仙台
この道を通勤や通学で利用される方(特に仙台青葉学院大学や東北学院大学五橋キャンパス等に通われる学生さん方)にはぜひこの企画を参考にして頂き、チャレンジしてみてはいかがでしょうか!
渡る道路は、表コースと裏コースを用意しました。
表コース【ヨドバシカメラ近くの横断歩道からメディアージ前の横断歩道まで】と裏コース【メディアージ付近の横断歩道からヨドバシカメラ近くの横断歩道まで】の一往復を信号機で止まることなく渡りたいと思います!ルールはそれだけ。
以下の図は、表コースと裏コースのポイントとなる点をまとめたものになります。

現場の下見
まずは表コースから攻略いたします!

仙台駅東口のヨドバシカメラを通過し、

階段を下った先の

この信号からスタート。(ポイント1)

渡って、

2つ目の信号へ。(ポイント2)

歩道の幅がだんだん狭くなります。歩行者の方の迷惑にならないよう十分注意しましょう。加えて道中には駐車場付きのコンビニがあり、車の出入りも多いです。スマホカメラばかりに気を取られていると危ないです。
ここは信号がない歩道で、バスなどが通る。(ポイント2.5)

次の信号は遥か彼方に見える。
最後の地点。(ポイント3)ここの信号を渡りきったらゴール!
うん。なるほど。わがんね。
~挑戦開始~
★ポイント1からポイント2まで
はじめの地点に戻ってきました。最初の信号が青になったら走ってみよう!
信号が青になった!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!

ゼェ!ゼェ!
あれ、思ったより速く走れない、もうキツイ。
あぁ、まずい。青が点滅してる。

間に合わなかった。さっきの信号が青になった瞬間に走ったのに。
ポイント1の信号が青の点滅になった時にゆっくり渡る方法も試したが、その方法ではタイミングがうまく合わず挫折。やっぱりここは速く走ることのほうが良さそうだと思いました。パンパンに詰まったバッグを背負った上に、私自身の走る力が足らないという課題を見つけました。直さなきゃ。

仕方ない。ポイント2を通れるとしたら、きっと信号は青色で点滅しているだろうと仮定して進んでみることにします。
★ポイント2からポイント2.5まで
にしても、次の信号までの道のりが長い。たどり着く前にくたくたになる。

さて、ポイント2.5です。信号がなくてスムーズに渡れるじゃん!と油断してはいけません。ここは近くに車庫があるのでバスが通ります。当日現場には警備員さんがいらっしゃって、歩行者を優先して渡らせてくれることもありました。
しかし、そんな余裕がある状況はいつまでも続かないでしょう。ポイント2.5は信号がないからこそ、スムーズに渡るためにはその時の交通状況も味方につける必要があります。
この場所で交通整備をしている作業員さんと何度もすれ違いました。パンパンになったバックを背負ってカメラで撮影しながら走っている変態が往復するのを作業員さん方はどういう思いで見ていたんだろうか。
★ポイント2.5からポイント3まで

そしてこの道、この企画における【次の信号までの道のりの長さ】史上最も長い道です。もう測らなくてもわかる。とにかく長すぎる。道のりが長いということは次の信号のタイミングを計るのがとても難しいということ。速く走るべきか、ゆっくり時間を稼ぐのがいいのか。たくさん実践して試行錯誤をしなくてはいけないということ。こりゃ大変だわ。
結論、ここはゆっくり進むのがよかったです。速く走ってしまうと赤信号に当たって止まってしまいます。この道の長さを活かして、遠くから信号の色を確認しつつゆっくり進み、ポイント3が青になったところを走って進むことに。

なんがーい道を超えると、ポイント3へ着いた。ポイント2.5〜3間で調整済みなので、青で渡りましょう。
何度か渡ってみてなんとなく各地点の渡り方は何となく掴んで来た。だが、コースの最初で挫折してしまうなんて。脚力が足りないなんて。悔しい。人生で初めて早く走りたいと思った。
3日で速く走れるようになりたい!
仕方ない、こうなったら特訓するしかねぇ!
今まで逃げてきた速く走ることに挑んでみることにしました。
〜帰宅後、走力アップの筋トレ?~
重りをガンガンに詰める。

無理くり閉めてやる!ていうか閉まれっつーの!

はい。重りを付けまくって、走りまくったら足が速くなるに違いない。今すぐに速く走れるようになるんだ!3日ぐらいこれで筋トレしまくったらぁ!
おらあああああああああああああああああああ!
※続かなかった。普通に歩きづらいし。
伊東家の食卓に頼る
行き詰まってしまったのでメンバーに相談することにしました。
するとこんな情報を頂きました。
恐山R:ちょっと待った。短期間で筋トレしても筋肉つかないし、かえって身体に負荷がかかって足を痛めてしまうかもしれないから、裏技などを調べてみては?足の親指に輪ゴムをかけると足が速くなるやつ……みたいなのなかったっけ?
委員長:ありましたね。昔やって痛かった記憶があります笑
大沼:痛いのかぁ……
猫子:『伊東家の食卓※』でやってましたね。それに追加すると、肩掛け式水筒を斜め掛けしてカメラを持った手の肘を置き、手ブレを抑える方法がありますよ!肘を水筒の方向に力を入れることがコツです。それと、速く走るにはボールを握って力を込めるやり方もありますね!
恐山R:伊東家マニアの方?
※伊東家の食卓:「日常に役立つ裏ワザ」を紹介するTV番組。1998年〜2007年まで放送されていた。
大沼:そんな方法があったとは!試してみます。
早速自宅を探してみたものの、肩掛けの水筒とボールはありませんでした。(別企画で使ってみようかな)
なので、その日たまたま手元にあった輪ゴムをかけて走ってみることに。

これでほんとうに速く走れるようになるのだろうか?
自宅付近の200メートル近くある直線を走りました。

走ってみた結果、足の回転率が速くなった気がしました!走るタイムは速くなったりはしなかったですが、速く走るためのコツを掴むことができた重要なきっかけとなりました。しかし、しばらく走るなかでだんだんタイムが遅くなってクタクタになり、にっちもさっちもいかなくなってとうとう走ることを止めてしまいました。
あとちょっと早ければポイント1の信号を渡れるのに。もう少し早く走れるだけでいいのに。
クヨクヨとYoutubeを開いて悩んでいるとある動画が目に留まり、それによってこの悩みはすぐ解決されることになる。
~補足~
この動画、すごいかもしれません。速く走るコツが更につかめた気がしました。
膝を垂直に上げ、足を真下に素早く下ろして、手を大きく振る(肘の角度は90度)と速く走れる。発見の連続でした。なんだこの動画!
希望が持てる内容でした。動画内では誰も競うことがなく、ただ夢中に体を動かしている。自宅前でこのトレーニングを見様見真似でやってみると、タイムを測らなくてもわかるぐらい速く走れる確信を掴むことができた。
これだ!この感覚を持って信号に挑もう!
〜再挑戦~
戻ってきました!さぁて、全力で走り抜けてやるぞ!

★ポイント1からポイント2
前回の反省を生かして、ポイント1が青になった瞬間に走り出しました。先日学んだ走り方の効果がとても出ているのを感じて心地よかったことを覚えています。輪ゴムをつけて走った時の足を速く回転させる感覚。腕を振る感覚。地面を垂直に蹴って前進する感覚。全てが活きている!
今なら何メートルでも走れるぜ!って感じでした。
荷物を軽くし忘れたにもかかわらず、進み具合が段違いでびっくりしました。中でも感動したことは、ポイント2に到着しても信号が青のままだったことです。楽しぇーっ!

★ポイント2からポイント2.5
しっかり自分の足でここまで来ることができた!
あとはポイント2.5の信号がない歩道で足を止めたくないぞ。

バスが通っていない!待ってる車もなし!
あたりを引いたぜラッキー!
★ポイント2.5からポイント3まで

さて、あとはゴールするだけです。が調子に乗ってここで急いでしまったら信号で止まってしまいます。

ポイント3の信号が赤い。走ったとしても絶対に間に合わないからゆっくりいこう。本当にゆっくり。

調整の末、ポイント3に到着!信号は青!
無事止まらずにわたることができた!
数々の試行錯誤の末、遂にヨドバシカメラ前からメディアージ前の信号までを止まらず渡ることに成功!自分の足で渡り切った喜びがすごい!やったー!
検証動画はこちら!
しかし、喜ぶのはまだ早い。コースはまだ折り返し地点に過ぎないのだから。
~裏コース紹介と実践~
裏コースは表コースの逆に進むのですが、せっかく培ってきた表コースの知識はここでは全く役に立ちません。いちから調査をし直しましょう。トホホ。
★ポイント3からポイント2.5まで

初めにポイント3を渡ります。ことらも青になった瞬間に走り出すのが良いです。

今回の企画で最も長い道のりが、裏コースでは走るコースとして立ちはだかります。疲れたとしても一定の速度で走りましょう。すると、ちょうどポイント2で青信号になるはずです。
頑張れ!気合でどうにか。結局走るのが一番よかったです。

ポイント2.5。誰も来てないので渡っちゃいます。
ここでも速度を緩めたくない!
疲れたねぇ。しんどいねぇ。
……もしかしてこれヤバい企画なのでは?ゼェ、ゼェ、
★ポイント2.5からポイント2まで

ポイント2は青!間に合え!ヒィイ!
さすがにしんどい。このあたりから疲れて歩きたくなるのですが。耐えましょう。
考えるな。走るだけでいい。

やった!間に合ったぞ!
★ポイント2からポイント1まで?

って…あれ?
ここで重大な事実を発見します。
最後の信号がどうしても渡ることができません。何度試したかわからないですがこの歩道で絶対に止まってしまうのです。
ポイント2とポイント1の信号のタイミングは正反対。ポイント2が青になって渡ると、ポイント1は赤になります。
どうやらこの道の信号はヨドバシカメラ前→メディアージ前の順に信号が変わるらしく、裏コースはその流れに逆らっていくことになります。前回の青葉通りの記事でも信号の流れに逆らって進んだことがありました。
前回は、佐々木さんのおかげもあって走ればどうにか渡ることが可能だったのです。流れが緩やかだったため、特訓前のへなちょこ走りでギリギリ渡れたのですが、今回の裏コースのポイント1はどうしても無理。あまりにも流れが急すぎて特訓の成果も活かせない!
やばい、どうしようどうしよう。あとちょっとで渡れるのに!
せっかく走ったのに!
もうこれ帰られへんで。
ゆっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっくり歩道を歩けば渡れるだろうけど、ゆっくり歩いたところで信号まで着いてしまうほど距離は短いです。表コースの長い道のようには行かないなぁ。
せっかくここまで頑張ったのに。
いや待てよ。
もっと早くわたる方法はないのだろうか。
本当にこのコースが最適なのだろうか?
★ポイント2から???

さっきの道に戻って、ここを左に行くとどうなるだろうか?

信号のない道を渡って、

ヨドバシカメラが見えた。

…もしかして?ここをたどっていけば。

あ、渡れた。
渡れたよー!やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!
なんと信号のない裏道を渡ることで裏コースもクリア!
裏コースの検証動画
信号機が青いうちに横断歩道3つ全部渡り切った!
検証&撮影時間は累計約5日間ほど。自分の感覚を頼りに探り続けて遂に自分の足で歩き切るまでになりました!
今回の証拠映像ですが、実は撮り直しでして、検証してから一か月ほど間が空いてからの撮影でした。しかしながら、スムーズに撮影を終えられるほど渡り方を身体が覚えていました。
信号をスムーズに渡る方法を知るだけでなぜかその分生活が豊かになった気がしてうれしいんです。
この企画を終えた今、僕らがわざわざ信号を渡る最適解を探す理由はそういうことなのかもしれないと思います。
まさか速く走るためにトレーニングをしたり、同じ道を何度も何度も往復するとは思わず、今思えば運動嫌いな自分にとってとても過酷な企画だったと感じております。
しかしこの企画をするうえでたくさんの出会いやお力添えをいただきました。非常にうれしく思うと同時に、お陰様で企画が達成できたことに感謝申し上げます。
<早抜け王・佐々木さんより検証シーズンにいただいていたコメント>
この企画についてですが、 企画案の立脚点自体が「青葉通の交差点は走り抜けがいけちゃうくらい信号が青時間が長い」って所だったので早く抜けることが大事みたいになってるんですね。
自分はさっさと移動したいから早抜けを見つけて回ってるんですが、信号抜けに関しては歩速を落とすって方法にも可能性があるんじゃないかなって思ってます。それか、青葉通哲学を踏まえて 「アーケードがあるのになんで早抜けパターンを作るのか」ってのもあるのでそっち方面でアプローチしても面白いかもしれないです。
佐々木(東北大学・動く会)
この企画を達成した今、改めて佐々木さんから頂いていたコメントを読み返すと、いくつか思うことがあります。
そもそも、佐々木さんが青葉通りを効率よく通り抜けようと思ったのは「信号通り抜けが可能なくらい青信号の時間が長いから」ということでしたが、今回検証した仙台駅東口エリアの信号は決してそんなことはなく、しっかり足を鍛えて挑まなければ渡れないほどの過酷なものだったのかもしれません。
通り抜け初心者にとってはそれなりの難易度があったであろう今回のコース。その挑戦をクリアできてしまったことがうれしいと感じました。
また最後の、信号抜けには速度を落とすという方法の活用も期待できるとありますが、今回の表コース終盤でしっかりと役立っていました。佐々木さんの言葉の通りでした。信号を渡り切ることがこんなにも奥深いことになるとは、この記事を制作するまではまさか考えもしなかったです。とても楽しかったです!
皆様ありがとうございます。
やったよ佐々木さん!
執筆:大沼
協力:佐々木(東北大学 動く会)






