仙台で”今”みたい映画|『THE MONKEY』レビュー

文化

映画大好き。

オショロコマです。<仙台で”今”みたい映画>、第2回はオズグッド・パーキンス監督『THE MONKEY』(R-15+)を紹介します。MOVIX仙台で2025年10月7日現在、上映中。

ただし、ホラー映画(特に残酷系)が苦手な方はご注意いただき、閲覧をお控えください。

 

 

ホラー、好きですか? 血とか、大丈夫ですか?

 

 

本当に、大丈夫ですか?

 

 

 

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ネジを巻くと音楽を奏でる猿の人形、それを手にした双子の兄弟の周りでは次々と人が……というホラーである。原作はスティーヴン・キングの短編『猿とシンバル』、監督はオズグッド・パーキンス、プロデュースはジェームズ・ワン(『SAW』『死霊館』などでおなじみ)。

オズグッド・パーキンス監督の名前は、ホラーファンであれば2025年公開の『ロングレッグス』で耳にした方もいるだろう。そちらは不穏の中に徐々に忍び寄り、取り返しのつかないことになる恐怖が印象的な一本であったが、ある意味本作はそれと好対照を為す。

 

 

見ていただければわかるだろう、あまりに残酷に、それでいて軽々と人が死んでいく。ある種の災厄とでも呼ぶべき禍々しい存在によって。遠慮のない惨劇と行き過ぎた恐怖が引き起こす(もしくは、引き起こしかねない)乾いた笑いと痛みが全てを塗りつぶしながら、唖然とする終幕まで突き進んでいくのだ。

そして予告編でも見られるような残酷描写、それだけがこの映画の全てではない。冒頭で提示される容赦のない描写でぐっと引き込まれたあとは謎と恐怖で満たされる、モダン・ホラーの王道とでもいうべきストーリーが、それらをしっかり支えている。

度々繰り返したように、人を選ぶ描写が多いのは事実である。ただ、ホラー好きで残酷描写に抵抗がない方、普段とは違った映画を観る冒険をしてみたい方には、一考をおすすめする。

 

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余談
MOVIX仙台に行くととある場所でこの映画のキーとなる音楽が流れるんですけど、観終わった後だとめちゃくちゃ怖いんですよね……あの場所……

 

執筆:オショロコマ