「店名のない名店」とは?
こんにちは、ウラロジ仙台編集部・のちゃです。
普段私が担当しているコーナー「のちゃさんぽ」では、面白いと感じたお店や場所を所在地なども参照しながらレポートしています。
しかし、気になるスポットの中には「自慢のお店だが、あまりにもたくさんの来店があると対応に困ってしまう」など所在地の宣伝を望まないお店もあります。
そのため、今回は「店名のない名店」として、イチオシのお店の名前や所在地を明かさずレポートしてみます !
※当記事では、お店からの許可を得て匿名掲載しています。
Googleマップを眺めていると…
コロナ禍で自宅で過ごす時間が増え、Googleマップを眺める日が増え…いつものようにちょっとマニアックなお店がないか眺めていると、勾当台公園周辺に気になるお店を見つけました。
「ちょっと遠いけど仙台駅から歩いて行ける範囲だ!!!」
(あくまでのちゃ的感覚なのでよい子はマネしないでね。)
偏見かもしれないですが、勾当台公園周辺というとおしゃれでかわいいカフェなどが多く、アニメやマンガが好きな陰キャは気軽に行きづらいイメージがあります。
ですが、今回紹介するお店は「マンガだらけの喫茶店」!!!!!!
Googleマップに掲載された写真を見る限りではオープンスペースながらも誰にも邪魔されず、お茶をたのしみながらゆっくりと漫画を読めそうです。
ウラロジ編集部「花」参戦!
しかし、私には1つ問題がありました。好きなマンガジャンルが「恋愛系」・「少年誌系」と偏りがあり、ヒット作をあまり知らず知識不足なことです。
そこで今回ある人物に同行をお願いしました。ウラロジ編集部でマンガ大好き芸人(?)といえば花さん!!
花さんといえば、先日開催されたみちのくコミティアのサンデー出張編集部へ持ち込んだ自身の漫画作品が高評価だったとか。
出張編集部で今日見た中でも一番面白かったと言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しかったです。具体的なアドバイスもたくさん頂き満足です!#みちのくコミティア仙台
— 花@マンガライター (@suetumu_1time) June 12, 2022
花さん、今日はよろしくお願いします!
所狭しと並ぶたくさんのマンガ本
細い道を曲がってお店につきました。
外観は黒い遮光ガラスに囲まれており昔懐かしい雰囲気で、店の外からでも店内に本がたくさんあるのが分かります。
店内に入ると店主さんが常連の方と世間話をしていました。明るくテンション高めのマダムな店主さんが一人で営業されているようです。
店内の半分をびっしり埋め尽くしているマンガ本をみた瞬間、花さんと私のテンションも上がりました!いったい何冊あるのか見当もつきません。1000冊は軽く超えていそうです。
花さんは早くマンガが読みたくてうずうずしているようでした。
知識が浅い私でも、「暗殺教室」はアニメを見てましたし、「スラムダンク」は言わずとしれた超名作。たくさんのジャンルのマンガがあるので誰でも楽しめそうです。
ドリンクメニューの「生」シリーズが気になる
本棚を一通り見た後に席につくと、店主さんがメニューとお水を持ってきてくれました。
喫茶店営業なので食事のメニューはトーストやサンドイッチのみでシンプルでしたが、ドリンクメニューがとても豊富でした。コーヒーメニューだけでも9種類くらいあります。
カフェと喫茶店では営業許可の違いがあり、喫茶店営業許可ではアルコールの提供や単純な加熱以外の調理全般ができません。カフェでは飲食営業許可が必要となります。飲食営業許可を取得して「喫茶店」を名乗るところもあれば、その逆もあるそうです。
わ、わかる~!柑橘系の飲み物大好きだからとても気になる…。
しかし、この日は少し風が強く肌寒い日だったこともあり私はホットココアを注文。注文を伝えると、「ココアに生クリームつけますか?」と聞かれました。甘いものが大好きなので「お願いします!」と即答しました(笑)。
花さんのまさかのチョイスに店主さんもびっくり
注文を終えると即、本棚へ行く花さん。「本当にマンガが好きなんだな」と思いながら私も花さんにつられるように本棚を物色しに行き、暗殺教室は気になったのですがアニメがどこまでなのかも分からず巻数が抜けていたので諦めました。
いろいろと探しているとスライド式の本棚に「Dr.スランプ アラレちゃん」の1巻を見つけました。名作なのに読んだことがなく「アラレちゃんがかわいい」「名前がアラレちゃんのあの口癖に似てる」という理由で読んでみようと思い、席へ戻ります。
「Dr.スランプ アラレちゃん」はマンガの中に表紙と同じイラストの塗り絵が途中にあり、元の持ち主によって色が塗られていて、小さいころに親戚のお姉ちゃんやお兄ちゃんに借りて読んでいるような気分になります。
花さんは、「スラムダンク」「ギャラリーフェイク」そしてもう一つ”ある本”をもって戻ってきました。その”ある本”に私も思わず笑ってしまいました(笑)
席に戻ってすぐ、店主さんがトマトジュースとココアを持って来てくれました。店主さんは花さんが持ってきたある本を見て一言。
「あら~!! 『三国志』なんて懐かしい本持ってきたわね!しかも随分と古い!何年前のだったかしら~?」
いや~乱世乱世!花さんが持ってきたのはカバーもかかっておらずかなり古くボロボロの「三国志」だったのです。店主さんでも、いつの世代のものか把握しきれていない本もあるようですね。
(おかげで執筆中、パリピ孔明のOP「チキチキ・バンバン」が脳内再生されました。)
濃厚ココアとアラレちゃん
■ココア 490円
■トマトジュース 480円
ホットココアはかわいらしいソーサーとセットの小花柄のカップに入ってきました。スプーンもおしゃれでかわいいです。実は、マップで見たときに様々なかわいいカップに入った飲み物の写真を見ていたのでホットドリンクを注文してどんなカップが来るのかも楽しみにしていたのです。
注文した通り、生クリームもふわふわとのっていて素敵です。コーヒーのようにお砂糖がついていたのにはびっくりしました(笑)。ココアは自宅で作るようなサラリとしたものではなく、濃厚な口当たりで味わい深く飲むと気持ちが落ち着くような味でした。
ひたすらにマンガを読む二人
そこからは2人とも最初に持ってきたマンガを読み終わって別のマンガを読みました。
ちなみに私の持ってきた2冊目は「金田一少年の事件簿」15巻。
こちらもなぜか15巻だけありました。少し前まで「金田一少年の事件簿」のアニメ版を見ていたり、ジャニオタだった時にドラマを見ていたりしたので手にしました。15巻はちょうどアニメの中でもトリックが不思議だと思っていた話だったので、じっくり読むことができてよかったです。
「金田一少年の事件簿」を読み終わるころには温かかったココアもすっかり冷めていてアイスココアのようになってました。それでも温かかった時と変わらず濃厚な味わいでした。
2人とも満足するまでマンガを読み終えたところで、お店を後にしました。
花さん、今回は同行ありがとうございました。
地域の皆様に愛される理由
マンガを読んでいる間、マダムな店主さんと常連さんはずっと世間話をしてました。途中で入店された別の常連さんとも世間話をしており、「人生経験が豊富な店主さんとお話がしたくて皆さんいらっしゃるんだな」と感じました。
また、オープンスペースなので何をしていなくてもなんとなく店内の音が聞こえる状況で、お盆などで親戚の家でマンガを読んでいるときと似ていて、初めて来たお店なのにとても落ち着く理由はきっとそこにあったんだと思います。また、巻数が飛んでいたり、バラバラに置かれているのもその「実家感」があって良さを感じました。
図書館やネットカフェとは違って、会員制というわけでもなく、気軽においしい飲み物を飲みながらマンガを読んだり友達と話したりできるのも良いと思いました。
また、こちらのお店では店主さん一人の切り盛りで常連さんを大切にしていきたいそう。もしお店の場所が分かってしまった場合、足を運ぶ際には少人数で行く・騒ぎすぎないなどのご配慮をお願いいたします。
執筆:のちゃ
同行:花