仙台で”今”みたい映画|『シンハードリ』レビュー

フォーラム仙台で初めて観た映画は『バーフバリ 伝説誕生』の筆者が送る映画レビュー。

『バーフバリ』『RRR』でおなじみ、S.S.ラージャマウリ監督の2003年の作品がリマスターされて公開の運びとなった一本(2025年11月13日までフォーラム仙台で公開)。主演は『RRR』ビーム役のN.T.R.ジュニア(やっぱりダンスが滅茶苦茶かっこいい)。孤児として有力者に拾われた「シンハードリ」の活躍を描くインドの映画である。

まず、映画サイトにある注意をお読みいただき、その上で視聴を考えていただければと思います。

さらに、公開が20年以上前の映画である、と前置きをした上で、前時代的に感じてしまう描写があるのも事実である。また、流血・残酷な描写は多めなのでそちらにも注意が必要かもしれない。

「インドの映画」と冒頭で書いたが、厳密には「テルグ語映画」であり、民族間の問題を想起させるような描写はある。その点について、筆者は無知であることは否めず、。両刃の斧がもしかしたらそういった象徴なのかもしれないが、私にはそれを理解する知識はない。これから学んでいければと思う。

しかし、監督の特徴である感情を揺さぶってくるようなアクション、独特の台詞回しによる圧倒的情報量、キャラクターの存在感は作品の持つ文化的背景をよく知らずとも凄まじい。例を挙げると、冒頭のタバコに火をつけるシーンは、映画に出てきた着火シーンの中で一番かっこいいと思う。また、原色を中心とした画面にも目を奪われる。

オープニングからずっと、そんな魅力的なシーンが押し寄せてくるので、3時間弱はあっという間に過ぎていく。まさにラージャマウリ監督、としか言いようのない体験である。

監督作品のファンであれば間違いなく、それ以外の方にも先に挙げた注意の上で観ることをお勧めする。やっぱり凄かった、の一言である。

補足:途中で「休憩」と書かれた部分が出てくるのだが、まさにここだよなあ……と思うシーンである(実際の上映には休憩はない)。

補足:12月にはフォーラム山形でもやるらしいので、間に合わない方はそちらでもぜひ。

執筆:オショロコマ