【振り返ろう】青葉通仙台駅前エリア社会実験 MOVE MOVEとはなんだったのか

青葉通仙台駅前エリア社会実験当日のレポート その前に

ウラロジ仙台では「陰キャなりにキラキラまちづくり界隈に首をつっこんでみる」という切り口で、陰キャがゼロから考えるまちづくりシリーズと題して、2022年の春先から青葉通周辺のまちづくりの話題を追ってきました。

青葉通仙台駅前エリア社会実験MOVE MOVE開催当日のアクティビティをレポート……
その前にッッ!

今回の記事は、既に公開されている「青葉通駅前エリアのあり方検討協議会」会議録やMACHITO SENDAIのWebページに掲げられているコンセプトなどを読みかえし、仙台市職員の方や社会実験準備事務局の皆さんに要所要所、補足をしていただこう!というものです。

賛成反対はさておき「何のために行ったのか」「どうしてペデストリアンデッキではなく道路を使ったのか」など読者の方の中にあるかもしれないモヤモヤポイントを少しでも解消していただいてから、後日UPするアクティビティの様子レポートを楽しんでいただきたいというウラロジ仙台編集部の意向です。

今回のナビゲーターはこの二人

ろじこ
ウラロジ仙台のマスコット・ろじこだよ♪最近、ウラロジ仙台では「ゼロまち」シリーズで青葉通仙台駅前エリア社会実験の話題を結構扱ってたけど、よくわかんなかったとこも多いから、振り返りさんせ〜です!

乃風
ろじこさんのクラスメイトの青葉乃風よ。ろじこさんが突っ走らないか心配だからついてきたわ。ちょっと長くなってしまうのだけれど、しばしお付き合いください、よろしくね。
ろじこ

広瀬ロジコトスカーナ、通称・ろじこ。弊Webメディア「ウラロジ仙台」のマスコットキャラクターを務める高校生。もともとトレンドから外れた面白いものに興味があり、サブカルチャー沼に片足を突っ込みかけている。ストリート将棋をやれたらいいと思っている。

 

青葉乃風(あおば・のかぜ)

ろじこちゃんのクラスメイトで社長令嬢……つまりテンプレお嬢様。なんだかんだ、青葉通周辺のまちづくりの動きもこっそり様子を伺っていた。青葉の風テラスとは一切関係ない。

 

乃風
それはそうと、MACHITO SENDAIのホームページだけではなく、関係者同士の会議録も公開されているのね。こんな風にオープンに社会実験やまちづくりの話題を議論した会議録が出ていること、知らなかった……知らない人も多いんじゃないかしら。
ろじこ
てか、青葉通駅前エリアのあり方検討協議会ってなんだろ?

そも「青葉通駅前エリアのあり方検討協議会」とはなんぞや

説明しよう!「青葉通駅前エリアのあり方検討協議会」とは……!
青葉通仙台駅前エリアを中心とした公共空間のあり方を行政と民間が連携して決めていくために結成された協議会。東北大学大学院の先生(学識経験者)、青葉通まちづくり協議会、商工会議所、周辺の商店街、青葉通沿いに土地を所有している地権者、交通機関の関係者など、数多くの関係者が関わり、利活用のあり方や交通処理に関してワーキンググループで実務的な議論をしたり、協議会で方向性を決めていったりしてるすんごい組織。
ろじこ
専門家や地権者の人がいっぱい関わっていて、めちゃ強そう……。

<青葉通駅前エリアのあり方検討協議会発足の背景>

  • 青葉通駅前エリアにおける開発機運の高まり 
  • 青葉通まちづくり協議会から 「まちづくりビジョン」の提言
  • ストリートをクルマ中心から 「人中心」の空間へ転換 (まちなかウォーカブル推進) 都心再構築プロジェクトや新総合計画 などによる新たなまちづくりの始動 
  • 東日本大震災を踏まえた防災対応力の向上(設立背景・趣旨、協議対象範囲について より)

    引用:https://www.city.sendai.jp/kukakuseri/documents/siryo1.pdf

 

「仙台の顔」だからこそ!再開発の動きと連携した公共空間の検討

仙台市 都心まちづくり課
市民の方々からは「青葉通駅前エリアの沿道*の再開発は今後どうなるの?」という意見を頂戴しています。仙台市としては再開発の協議に入らせてもらいながら話を聞かせていただいている状況であり、再開発と青葉通駅前エリアの一体的な利活用ができるよう絵図を描ければ、望ましいと考えています。青葉通駅前エリアのあり方協議会としては、このエリアのあり方検討の視点として、令和4年の1月に「3つの視点」を作りました。

※青葉通駅前エリアの沿道……旧さくら野百貨店とEDENを指す

引用:https://www.city.sendai.jp/kukakuseri/documents/siryo-kyogikai-2.pdf(第2回協議会資料 P25)

仙台市 都心まちづくり課
今回の青葉通仙台駅前エリア社会実験では、このエリアの将来像を描くための一つの試みとして「3つの視点」を踏まえて公共空間である青葉通でどのようなことができるか、何を示せるかを実証実験した段階です。社会実験での効果検証を踏まえつつ、両側の今後の再開発についてそれぞれの地権者の方々の考えとも擦り合わせながら「仙台の顔」としてふさわしい場所にしたいという想いがあります。

乃風
多様な活動……普段は陰気なウラロジ仙台も、この中に入れたかしら。

仙台市 都心まちづくり課
ええ。私たちがウラロジ仙台に「取材をしてほしい」という声をかけたのも、色々な属性の人に……キラキラ意識高い系にあまり関心が無い層にもまず、この動きを知ってもらいたかったからですし。
ろじこ
ウラロジ仙台、この社会実験の話題がなかったらあんなにキラキラ市民参画イベントとかに突撃してなかった!



▲まちづくり関係のイベントに個性派ファッション、メイドさん、忍者……なかなかない光景!

乃風
SNSなどのコメントでも「まず旧さくら野百貨店をなんとかしたい」という声も多かったけど、なんとかなる予定のその周りも元気にしていくような……そんなイメージと捉えてもらえたらよかったかもしれません。ウラロジ仙台としても、そのあたりを詳しく発信する力が足りなかったように思いますね……。
ろじこ
思ってたよりアツい理由あったんだー。「MACHITO SENDAI」ホームページに載っていたコピーとか、デザインの方向性を決めるのも大変だったんじゃないかなー?うまく言えないけど、「ひととなり」って場所にはあんまり使わない言葉だよね。


引用:https://machito-sendai.com/

奥口さん
では、ここはブランディング担当の私から。人の性質や特徴を表す言葉として「ひととなり」という言葉がありますが、街にも「ひととなり」があってはいいのではないかと思いますし、ここを拠点に活動する人同士が連携し、交流が活性化されることで街としての「ひととなり」が育つのでは?と考えています。その仮定から導いたのが今回の社会実験に関するステートメントやデザインです。

▲社会実験そのもののコンセプト案。「育む」など一方的にも受け取れる表現を避けるなど、試行錯誤があったようです。

奥口文結さんって?

ブランディングからデザインを考えるブランドデザイナー。元々はエフエム仙台(Date fm)でのラジオパーソナリティや番組の企画・運営で活躍していた。学生時代はデザインやマーケティング、商品企画などを学んでいたこともあり、「元々好きだったものづくりをしながら情報発信ができたら」と思い立ち、2019年にフリーランスとして独立。

過去に奥口さんが登場した記事はこちら

奥口さん
青葉通駅前エリアは仙台の顔(玄関口的ポジション)でもあることから、青葉通仙台駅前エリアのひととなりを見出すことで、他のエリアにも新しいひとの流れが広がっていくようなイメージで、ブランディングの方向性を詰めて行きました。市民の皆さんへの広報として打ち出すにあたって、ステートメントやデザインのコンセプトに「心臓」というキーワードを使用しました。

乃風
「心臓」ってワード、結構ドキッとするし攻めてるな〜って思ったけど、青葉通で生まれた賑わいをいろんなエリアにめぐらせるイメージなのかしらね。血流みたいね。

奥口さん
そうそう、そんな感じに近いです♪ちなみに、空間デザイン、ビジュアルデザイン担当のクリエイティブチームと共に考えた社会実験のネーミング案は、60案以上ありました。「myaku myaku」という案もあったのですが。

ろじこ
MOVE MOVEもいいけど、myaku myakuも可愛い〜!

奥口さん
ちょうどネーミングを検討している時期に、本当に偶然、別イベントで似たようなネーミングのキャラクターが登場して話題になったので、被りを避けるべくお蔵入りに……。

ろじこ
あっ……。

乃風
偶然って重なるものですね……。

ペデストリアンデッキから街なかへ!回遊を増やしたい想い

乃風
SNSでは「ペデストリアンデッキでやったらいい」っていうコメントもたくさんありましたけど、青葉通駅前エリアのあり方検討協議会が設立された背景に青葉通駅前エリアにおける開発機運の高まりともありますし、先ほどの都心まちづくり課さんのコメントの通り青葉通の再開発の動きと連動した青葉通駅前エリアの検討にあたって、ってことでしょうね。
ろじこ
確かに、やってるイベントやワークショップは賑わっていて面白かったけど、なんでペデストリアンデッキでやらなかったんだろ〜。

仙台市 都心まちづくり課
そうですねえ。じゃあ、突然ですけどろじこちゃんは、休日にJR仙台駅前エリアへショッピングに行くとしたらどこに行きますか?
ろじこ
ペデストリアンデッキ沿いのファッションビルめぐりかな?駅の中にもカフェとかあるし!

仙台市 都心まちづくり課
そうですよね、そこなんです。社会実験以前から、JR仙台駅周辺ビルの再開発が先行した結果、人が駅周辺に集中しているという声が多かったんです。実際に、仙台を訪れる人の行動範囲がJR仙台駅内やペデストリアンデッキ、周辺の商業施設に集中していることが人流ビッグデータからも読み取れます。

▲データが全てではないものの、人流が集まっていることを示す赤い太線矢印の三角形がペデストリアンデッキ上にあります。

引用:https://www.city.sendai.jp/kukakuseri/documents/siryo-rikatuyo-wg3-12456.pdf(第3回ワーキンググループ資料P15)

乃風
駅周辺で色々用事が済ませられるのは便利なので、見落としがちなところですよね。徒歩圏内でも、歩いて街中なかに行く必要性が少なく感じるから。

仙台市 都心まちづくり課
街なかへの回遊性を高めていくことは重要ですし、すでに人が集中している場所に広場を設けても、目的である回遊性を生み出すような本質的な解決手段にはならないと考えまして。むしろ駅前にある青葉通を活かして、ペデストリアンデッキから降りて、街なかへ踏み出してもらうような空間が必要だと感じたからなんです。

利活用を実施し、効果検証や課題を確認したうえで両側の再開発事業に活かしていただきたい。最終的な形状は再開発事業を踏まえて関係者から提案をいただきながら決めていければ良いと思われる。社会実験 だけですべて決まる訳ではない。(2022年1 月 第 2 回 青葉通駅前エリアのあり方検討協議会 議事概要より)

※両側……旧さくら野百貨店とEDENを指す

ろじこ
社会実験の結果を活かすのは広場を設けたEDEN側だけじゃないってのも、残ってる〜。

仙台市 都心まちづくり課
街なかへの回遊性を高めていくことは重要ですし、今回の社会実験は先ほど説明した「3つの視点」、沿道の再開発との連動を踏まえた青葉通駅前エリアのあり方検討の一環として行っており、仙台の顔として賑わいや交流を生み出すためペデストリアンデッキ上でなく、青葉通駅前エリアにて社会実験を行いました。また、社会実験で利活用した場所はよく見ると、車道・歩道・民地・ペデストリアンデッキを少しずつ越境した空間の使い方になっているんです。

乃風
振り返ってみると、確かに。そういえば旧さくら野百貨店側に昔の写真の展示がありましたよね。

▲社会実験準備事務局・ビジュアルデザイン担当の小松大知さん主導のもと、旧さくら野百貨店の壁面に青葉通や仙台駅前の昔の写真を展示。風の時編集部さんから写真提供をご協力いただき、青葉通がこれまでどんな様子で発展をしてきたのか、思いを巡らせることのできる大切なコーナーとなりました。

ろじこ
エッキョー……他にも工夫したところがあったら、いい感じに教えてください!

貝沼さん
はい、では空間デザインを担当した私から。今回、敷地は道路2車線+バス停屋根下+歩道となっていますが、約80m程度の道路空間は細長く、何もしないとアスファルト剥き出しで拠り所がない状態です。そこに、ジグザグ型の斜めのラインを取り入れることで、歩道側と視線をずらしつつ、囲われたり流れたりするような空間としました。また、道路+バス停屋根下+歩道に一体感を持たせたいと考え、人工芝を2色で斜め貼りにしています。

▲自転車道と車道の間の仕切りは、金網フェンスに赤メッシュシートを張り、向こう側が透けることで、圧迫感を軽減!

貝沼泉実さんって?

建築計画事務所勤務時代から「ルイ・ヴィトン メゾン大阪御堂筋」、独立後は東京エレクトロン宮城株式会社宮城技術革新センターの応接間に設置されているオブジェの設計・デザインなどに携わってきた建築家。2020年9月に仙台でKAI ARCHITECTS という建築デザイン事務所を設立。活躍の幅が世界規模まで広がっていて、とにかくお仕事の規模がデカすぎる方。

過去に貝沼さんが登場した記事はこちら

貝沼さん
また、ペデストリアンデッキから見下ろしたとき活動が一望できることや、利活用空間から駅前を見上げたときに仙台らしさが感じられるのを大切にすること、青葉通を眺めることができる段々のベンチなど、高さのあるものを積極的に取り込むことを意識しました。


▲期間中様々な使い方をされることが予想できたので、どのようなコンテンツも受け入れられる空間を目指したとのこと。また、材料や家具はなるべく今後も使い回せるものを選んだそう。

道路を広場にするのが決定ではない

乃風
社会実験での試みを活かすってことについてはなんとなくわかってきたつもりですが、社会実験で生まれた結果だけで再開発の方向性や建物、景観が決まっていくわけではないんですね。

仙台市 都心まちづくり課
そうですね。社会実験で得られた多くのご意見や調査データを様々な観点から多角的に検証・分析を行い、その結果を今後のあり方検討に活かしていくことが肝要であると考えています。また、今回は交通規制を行った結果、社会実験を開始した直後の週末3連休における苦情が多く寄せられたなど、場所や時間帯によっては渋滞による市民への影響があったものと認識しています。最終的なアウトプットは協議会の皆さんや市民の皆さんからの声をふまえて決まっていくので、まだ「こうなります!」とは言えないところです。

▲今回の社会実験のため、青葉通仙台駅前エリアの片側車線は通行止めに。

ろじこ
広場化は確定ではないから、誤解のないようにっていうご発言の記録もあるね!

河北新報で社会実験の報道があった際に、「広場化を前提とした」という文言があった。 今後の広報活動、マスコミの報道にあたっては、「広場化」という表現は避けるようにお 願いしたい。(2022年 8 月 第 4 回 青葉通駅前エリアのあり方検討協議会 議事概要より)

社会実験当日のレポート記事もお楽しみに

ろじこ
なんとなく、今までふわっとしていたニュアンスが伝わってきたよ〜な……。うう〜ん。

乃風
今年度中には仙台市からの結果報告もあるはずだから、その時にまたじっくり考える時間を取るっていうのもアリかもしれないわよ。まず、熱が冷めないうちにアクティビティや広場の様子を残しておくのが私たちとウラロジ仙台にできることなんじゃないかしら?

今後、ウラロジ仙台の目線からMOVE MOVEのアクティビティに関するレポート記事を少しずつ更新予定です。

少しでも青葉通仙台駅前エリア社会実験の実施意図が伝わった上で今後更新予定の開催レポート記事を読んでいただけたら、「ゼロまち」で関わってきた陰の者・ウラロジ仙台編集部としても嬉しく思います。更新をお楽しみにッ!

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執筆:恐山R
編集:S
協力:仙台市 都心まちづくり課、青葉通仙台駅前エリア社会実験準備事務局の皆さん