ウラロジ仙台編集部の「トリセツ」って?
トリセツとは、ウラロジ仙台編集部のメンバーの「取扱説明書」の意。
ローカルな話題にとらわれず、編集部メンバーの紹介や個人的な趣味の話題などにスポットを当てていくコーナーです。
担当している企画やSNSからは伝わらない、編集部メンバーの別の顔、新たな一面を楽しんでいただければと思います!
今回取り上げるのは、ウラロジ仙台の人気企画「宮城マスター 一直線!」を担当しているライター・花さん。
漫画ファンの愛で作るメディア&コミュニティサイト・アルのライターとしても活躍中の花さんは、ウラロジ仙台編集部でも屈指の漫画オタクであるとともに、深い地元愛を持っているメンバーです。
漫画に興味を持ったきっかけや地元・仙台への愛情、創作することについての思い……今回もいろいろなお話をじっくり伺ってきました!
漫画をはじめとしたサブカルチャーや創作活動への熱い思いが感じられる花さんの『トリセツ』、ぜひお楽しみください。
漫画を好きになったきっかけは「悪魔くん」のアニメ
──まずは簡単に自己紹介をお願いします。
花:なんか改まるとちょっと緊張しますね。(笑)
──(笑)こういう活動をしてきましたとか、この企画を担当しているライターですとか。そういう、ふわっとした感じで大丈夫です。
花:ウラロジ仙台編集部で、宮城マスター検定受験のためにクイズを出している者です。アルのライターとしても、漫画についてのレビューやニュース記事などを書いています。
──ウラロジ仙台に参加する前からアルのライターさんとして活動していたんですよね。漫画が好きだっていうのは、普段お話したりSNSを拝見したりするだけでもすごく伝わります。
花:漫画を好きになったきっかけは、『悪魔くん』のアニメですね。自分では覚えがないんですが、家族曰くとにかくアニメを巻き戻しして鬼リピートしまくっていたらしいです。幼稚園でもハマっていたのは覚えていて、大人になってから漫画版も読む様になりました。アニメ「悪魔くん」のリメイクが発表されたのですごく嬉しいです!
花:それと、幼少期住んでいたマンションの正面がアニメイトだったんですよ。
──そんな立地あるんだ。
花:子供の頃は漫画というよりアニメを見てたんですけど、小学校に上がると少女漫画に触れはじめて。そこから徐々に漫画オタクに……りぼんからはじまって、中学生くらいになったら週刊少年ジャンプ(以下・ジャンプ)に移って。
──あの現象なんなんですかね? みんな子供の頃はりぼんとかなかよしとかちゃおとか読んでるのに、中学生高校生くらいになると女の子もジャンプ読み出すんですよね。少女漫画にもお姉さん雑誌はあるのに。
花:本当に謎現象ですよね。私は厳密に言えば小学6年生くらいからジャンプを読んでました。たまたまコンビニで見たジャンプの表紙が『ONEPIECE』で、興味を持ちはじめて……そこから少年漫画の方にも裾野が広がっていったのかな。
──ちなみにその頃はどんな漫画がお好きだったんですか?
花:りぼんを読んでいたときは『ご近所物語』とか『こどものおもちゃ』ですかね。
──うわー懐かしい! なんというか、いわゆるコテコテの恋愛漫画というよりはちょっと、癖があるって言うとあれですけど……。
花:ちょっと考えさせるところのある作品ですよね。
──うんうん。漫画にそういう要素を求めている人は少女漫画だけじゃなくジャンプとかにも惹かれる部分があるのかも。
花:恋愛漫画も読んでた記憶はあるんですけど、一番印象に残っているのはこのふたつですね。
──ジャンプでは何が好きでした? やっぱり『ONEPIECE』とか?
花:『ONEPIECE』と、あと『NARUTO』好きでしたね。『BLEACH』とかもですけど、ちょうどこの辺の名作の連載がはじまって盛り上がった頃でした。一種の黄金期というか。
連載がスタートしたのは『ONEPIECE』が1997年、『NARUTO』が1999年、『BLEACH』が2001年。90年代後半から00年代初頭にかけてはじまったこれらの作品とともに大人になった方も多いのではないでしょうか。
──なるほど……。
花:それと、『漫画編集者』っていうタイトルの漫画編集者へのインタビューをまとめた本に、自分が好きな作品の編集をしている方のインタビューも載っていて。ああ、こういう人が、こういう思いでつくっているんだなっていう感動があったんです。その感動を伝えたいなという思いで、それから好きな作品の担当編集の方にお手紙を出すようにもなりました。
──ちなみに今購読している雑誌ってなんですか?
花:週刊スピリッツと月刊!スピリッツです。若い頃は立ち読みで済ませていたことも多かったので、その懺悔の意味も込めて。
──学生にとっては痛い出費ですからね、週刊誌月刊誌を購読するっていうのは。
花:今は電子で読めちゃうから、雑誌とか編集部っていう概念がない人も多いみたいですね。電子書籍のストアを運営している会社にファンレターが届いたりするみたいで。
──たしかに、ああいうサイトって出版社とか作家の名前じゃなく漫画としてのジャンルで作品が分けられていることが多いですもんね。レビューだってそのままそこに書くし。
花:『海月姫』『東京タラレバ娘』の作者・東村アキコ先生のインタビューでも、中学生に取材してみたら雑誌を買って読んでいる子は本当に少なかったっていう話題が出てました。若い世代の子にとっては、漫画は雑誌じゃなくアプリで読むものだって認識されているみたいで。感想も、作品や作家の公式SNSに送るだけだったり。
──お手軽ですからね。恐らく見てもらえてはいるだろうし。
花:ファンレターを積極的に送るようになったのは、こういう現状に気が付いたからっていうのもあります。たとえばファッション雑誌でも、SNSで人気がある人じゃなくハガキのアンケートでの評価が高い人をメインに使っていたりするらしいんですよ。
──SNSで人気でも、他のメディアで成功するかはまた別ですよね。芸能人はSNSでもたくさんフォロワーがいたりするけど。
花:SNSは無料で見られるからっていうのもあるかも知れないですね。編集部としては、やっぱりお金と時間をかけてアンケートを送ってくるような読者の気持ちを取り上げたいというのはあるかなと。スピリッツでも一時期好きな作品が相次いで打ち切りになったことがあって、「こんなに面白いのに」と思っていたけど当時は自分もアンケートを送っていなかったんですよ。そういう経験もあって、やっぱりちゃんと「この作品を読んでいます」っていう意思表明をしないといけないなと思っています。
──花さんって、漫画に限らず好きな作品について「ファンである」という意思表明をしっかりしていますよね。アンケートを送るのもそうだし、ドラマを見ながら公式のハッシュタグをつけてツイートするのもそうだし。
花:やっぱりさっき話した、作者さんのブログを見たことが一番大きかったです。趣味で同人活動をしていたんですが、感想をもらえるとモチベが上がるっていう作者側としての実体験も影響してますね。
──これまでは漫画を読む側としてのお話を伺ってきましたが、花さんは一読者であるだけではなくて、漫画のレビュー記事などを書くライターとしても活躍していますよね。アルのライターとして活動するようになったのは何がきっかけだったんでしょうか。
花:スピリッツで連載していた『王様達のヴァイキング』っていうハッカー漫画があるんですけど。それが宮城県警のサイバー捜査官募集のポスターに使われたことがあって……それをきっかけにネットリテラシーをより意識しはじめて、Twitterのネタツイートとかによくあるような漫画のコマの無断転載が気になるようになって。
花:きちんと許諾を得た上で、画像をツイートなどに添付できるようなサービスはないかと探していたんです。そのときちょうど、ちゃんと許可をもらって漫画のコマの画像をアップできるというシステムを運用しているアルと出会って。
──はじめは普通にアルを利用している一ユーザーだったんですね。
花:そうです。アルが主催していた読書感想コンクールで入賞したことがきっかけでライターに興味を持つようになって、その流れでライター募集にも応募して採用された、という感じです。
──すごいですね、ある種のシンデレラストーリーというか。それまでライターとしてのお仕事をしていたとかでもなく、純粋に漫画が好きだという一点で……。
花:(購読している)スピリッツとか、たまに買う他の雑誌でも、面白い漫画があったらずっとアンケートは出していて。こうやって文章を書いて、好きなものについて発信していくのが自分には合っているのかもと思っていたんです。その思いが高じてライターに応募したというのもありますね。ライターとしてレビューを発表することで、自分の好きな作品がもっと広く知られて、読み手が増えていって欲しいという期待もあります。
──たしかに、好きな漫画を紹介するにしても「漫画サイトのライター」っていう肩書きがあるとないとでは全然違うかも。本当に漫画に対する愛情が深いですね。
花:愛情というか……自分にとって漫画は、生きる上での精神安定剤みたいなもので。それがないと生きていけないというか。
──好きな作品や作家に対してそういう感想を持つ方は多いと思うんですが、花さんは漫画という文化そのものに対してそのスタンスですよね。どうしてそこまで思い入れが深いんでしょうか。
花:なかなか心休まる瞬間がなかった時期、唯一の救いが漫画だったんです。今でも落ち込んだり凹んだりしたとき、「まだあの漫画の続きを読んでいない」っていうのが支えになって。とりあえず来週までは生きようって、騙し騙し……。
──これから先ずっと頑張るのは難しいかも知れないけど、少なくとも来週、少なくとも来月……みたいな、短期的な死なないモチベーションみたいなもの、ありますよね。
花:そうですね。漫画がメインですけど、物語全般に言えるかも知れないです。物語って言ってもフィクションばかりじゃなくて、ノンフィクションでもいいんですが、漫画をはじめとしたコンテンツにはまる人って、どっちかっていうと生きてていいんだなって思える経験が少ないんじゃないかなと。勝手な持論なんですけど。そういう人が救いとして求めてるんじゃないかなって。
──そういう人も多いかも知れないですね。私もそうかも。
花:いい作品に触れて感動して、ああ生きててよかったなって感じる、その精神的な救いのためにコンテンツを必要としている人ってたくさんいると思うんです。だからこそ、コンテンツを生み出してくださっている作者の方をちゃんと応援したいという思いがあります。
慣れ親しんだ地元・仙台。より深く知りたいと感じさせてくれた「パプリカ」
──これまでのお話を聞いていると、アルのライターとしてすごく充実しているように思うんですけども。さらにウラロジ仙台にもライターとして参加してみようと思ったのはどうしてでしょうか?
花:たまたま三原堂の歌を仙台駅前のアーケード街で聴いたんですよ。
──あっ。
花:それで、これってどうやって測量してるんだろうってふと思ったんですよね。興味本位でネットで検索してみたら、ウラロジ仙台に掲載されていた三原堂の記事が出てきて……こんなに自分の好みに合うサイトがあるんだって。らむねさんが書いていたポテサラの記事もすごいツボだったし。
▲花さんがウラロジ仙台を知ったきっかけにもなった、らむねさんによる記事。「(仙台)駅から365歩」のCMソングでもおなじみの時計&ジュエリー店・三原堂さんまで、CMソングの通り仙台駅から365歩で到着できるか検証するという企画です。寄り道も可。
▲ZAZEN BOYSの楽曲「ポテトサラダ」の歌詞を読み解き、向井秀徳氏が食べたかったであろうポテトサラダをつくるという企画。ボールにいっぱいのポテトサラダが食いてえ。
──本当にらむねさんと同じこと考えてる。
花:このサイトは完全に自分のニーズに合ってる、絶対応援しようって思ったんです。元々オモコロとか、サブカルっぽいサイトが好きでよく見てたこともあって、そういう空気が感じられるのがよかったですね。
──それでウラロジ仙台をチェックするようになったんですね。そして読者からさらに一歩踏み込んで、ライターに応募してみようと。
花:ウラロジの記事には現場でのフィールドワークやインタビューが元になっているものが多かったので、自分もインタビューとか出来るようになりたいな、勉強させてもらいたいなという想いで応募しました。
──漫画のレビュー記事が中心だと、たしかにインタビューとか取材とかの機会は少ないですよね。実際ウラロジでのコンテンツ制作に参加してみていかがですか?
花:コロナ禍も重なってまだあまり取材とかインタビューは出来ていないんですが、かなり自由にやらせてもらえていますね。自分ひとりでやっているとどこがいいのか、どこが悪いのかも見えてこないので、アドバイスをくれる人がいるのも嬉しいです。
──花さんってすごく地元にも愛着というか、愛情があるなと感じていて。そういう意味でもウラロジ仙台っていうメディアで活動するのにぴったりのタイプだなといつも尊敬しているんですが……地元愛が強くなったきっかけになった出来事って何かありますか?
花:改めて聞かれると、どういうきっかけがあったのかなって、ちょっと自分でもわからないんですけど。子供の頃から散歩が趣味だったので、それもあるのかな。仙台駅の近くに住んでいるのですが、西公園とか青葉山とか、宮城県美術館などへ行ってましたね。
──散歩で青葉山っていうのは結構ハードワークですね。
花:歩くのがストレス解消だったんです。青葉城に行って景色を眺めたりとか、ヒーリング効果もある気がして、新緑を見るのが好きだったんです。ほんとに、散歩の延長線上みたいな感じで。
──バスに乗って行くんですか?
花:歩きです。最寄りが仙台駅なんですけど、仙台駅から青葉山までだったら普通に歩きで行きます。帰りも歩きで。
──すごい……それどれくらい時間かかるんですか?
花:片道1時間以上は。
──すごい……(2回目)でもゆっくり散歩すると思ったらちょうどいいくらいの時間なのかな。そうやって仙台、特に地元である青葉区辺りを散歩しているうちに、自然と愛着や興味が生まれてきた感じですか?
花:あとは、10年くらい前にはなりますがARABAKI ROCK FEST.に参加していたのもありますね。秋だと定禅寺ストリートジャズフェスティバルとか。音楽などのカルチャーを通して地元で盛り上がれるのはやっぱりいいなって。宮城マスター検定もそうですけど、宮城県のことをもっと勉強したいなと思ったのはわりと最近のことです。
▲花さんによる、オリジナルの「宮城マスター検定」試験対策予想問題。クイズの他、解答・解説編もセットでお得です!宮城マスター検定の合格を目指す方はもちろん、宮城・仙台に関するちょっとマイナーな知識を深めたいという方もぜひトライしてみてください。
花:宮城マスター検定の記事にも書いたことがあるんですが、米津玄師さんの『パプリカ』を聴いたことがきっかけで。
──『パプリカ』が宮城県に興味を持ったきっかけなんですか?
花:パプリカって、宮城県が生産量第1位の野菜らしいんですよ。だからそれをタイトルにすることで、東日本大震災の鎮魂歌としてつくったんじゃないかっていう説をTwitterで見かけて。そのときに、「自分は宮城の人間なのに、生産量の多い野菜すら知らない」って、はっとして。
宮城マスター検定を知ったのは魅力的な「割引特典」から
花:宮城マスター検定を知ったのは、宮城県美術館に行ったときに割引対象の一覧を見たのがきっかけですね。障害者手帳とかの中に混じって宮城マスター検定っていうのがあって。
──宮城マスター検定を持っていれば美術館の展示も割引になるんですね。
花:そうです。美術館の他にも、公共の施設とか携わっているホテルの料金が安くなるとか、いろいろ多岐に渡っていて。
──そう考えるとかなりおいしい資格だな……。自分で受験しようと思ったのは、やっぱりウラロジのネタになるなっていうのが大きいですか?
花:そうですね。「宮城マスター 一直線!」というタイトルの元ネタである電波少年の企画『電波少年的東大一直線』みたいに、笑えるところもある記事になればと思って。
──実際今取り組んでみて、どうですか? 手応え的には。
花:勉強すればするほど余計に、今年も合格は無理だなって。
──(笑)。
花:去年も、試験がはじまって問題をみんなが開いた瞬間にため息が聞こえてきて……ああやっぱりみんなも解けないんだって。
──去年はたしか合格した方ゼロですよね。本当にみんなわかんなかったんだ。
花:そもそも合格率2.4%なのがおかしいですよね。
──合格は厳しいかも知れないですけども、企画としては様々な派生も出来てすごく上手くいっているなと思うんです。その辺りについてはどうですか?
花:クイズづくりは勉強の一環にもなって、すごくいいなと思います。解答・解説も自分がつくっていて、それをらむねさんやSさんに見てもらうことで伝えやすいテキストの書き方という意味でも勉強になります。
──でもあれ、正直めちゃくちゃ大変じゃないですか。
花:(笑)。
──あんなに頑張れるのは何でだろうって。
花:単純に、人って周りに目標とか宣言するとそれに向かって頑張れるじゃないですか。それの最たるものかなと。発表することによってモチベが上がっている感じ。
ライターとして、ウラロジ仙台として。地元・宮城と漫画を愛する花さんの今後の展望
──花さんって、もしかしたらあまり自覚はないかもしれないけど、好きなものに対してはすごくまっすぐに、めちゃくちゃ頑張っている人だなって印象があって。宮城マスター検定についてもそうだし、好きなコンテンツを応援する熱量もそうですし。その原動力ってどこから来てるんでしょうか。
花:やっぱり好きって言う気持ちですかね。元々、小さい頃から漫画家になりたいっていう夢もあって。
──花さんは漫画を描きたいという目標もあるんですよね。漫画の原作をやりたいっていう。
花:でもそう言ってるわりには、絵の練習とか勉強とかを一生懸命するほど熱があったわけじゃなかったんです。それに気が付いたのが5年くらい前。
──わりと最近だ。
花:同人活動をしていたときに色々ありまして、そこでいろんなものがぷつんと切れちゃったんです。その時期に、自分は今まで漫画や絵を描くのが好きだと思ってたけどそこまでじゃないんだなって気が付いて。昔は寝食を忘れて創作活動をしていたけど、創作意欲が全部なくなっちゃったんです。ファンレターとか雑誌のアンケートとかを熱心に送るようになったのも、創作に向けていたエネルギーの行き場がなくなったっていうのもあるかも知れないです。
──そこでスイッチが切り替わった感じなんですね。
花:ここ何年かは創作からは離れて、漫画には仕事を通じて客観的に触れるようになって。その間に、最近少しずつ「自分もつくっていきたい」って気持ちが戻ってきたのかなっていう。
──ちなみに、漫画の原作者ってどういう風にしてなるものなんですか? 普通の漫画家なら雑誌の新人賞に応募して……みたいな想像が出来るんですけど。
花:一部の雑誌では定期的に原作部門の作品募集があるんで、そういうところかな。ネームと内容の要約を提出する感じです。
──原作でもネームは描かなきゃいけないんだ……。
花:一度創作をやめてからは、気持ちの面でも絵を描くのがすごく大変で。だからネームも大変です。今はひたすら設定を練っているところで、応募までは至ってないんですけど。話は固まっていてもアウトプットが難しくて。でも創作から一旦離れたことでライターとして活動するようになったので、そういう意味ではよかったなと思います。出来ることならやっぱり好きな雑誌であるスピリッツで挑戦したいので、スピリッツで漫画の原作募集があれば応募したいです。
──個人としての目標って、他にもありますか? 漫画の原作をやるっていうこと以外にも。
花:取材とかインタビューをしてみたいっていうのはずっとあります。欲を言えば、宮城県出身の仮面ライダー俳優にインタビューしてみたい。
──宮城県出身のライダーっているんですか?
花:意外といますよ、渡邊圭祐くんとか。 仙台駅前・EBeanS(イービーンズ)内にある喜久屋書店でやった渡邊くんのイベントにも参加しました。そのとき発売された写真集の、ファンが応募した質問を一部選んで答えるっていう企画に私の質問が選ばれたりして。写真集のインタビューでも「宮城に何らかの形で恩返しがしたい」とおっしゃっていたので、もしなにかイベント等を開催される機会があれば、いつか取材等で携われたらいいなとか……そういう夢はあります。
花:それと、ウラロジ仙台で宮城県クイズを出題する様になったことで勉強を兼ねてクイズ系YouTuberのチャンネルを視聴することが多くなりまして。伊沢拓司さんのQuizKnockや、宮城県出身のクイズ王である古川洋平さんのカプリティオチャンネルとか。宮城県出身という縁もあるので、いつか古川洋平さんとウラロジ仙台のYouTubeで宮城県クイズ対決とか出来たら嬉しいですね。
カプリティオチャンネルもQuizKnockと同様、主にクイズ関連のコンテンツが投稿されているYouTubeチャンネルです。宮城県仙台市出身のクイズ王であり、クイズ作家プロダクション「クイズ法人 カプリティオ」の代表・古川洋平さんが中心となって運営しています。
──ウラロジ仙台がもっとメディアとして成長出来れば渡邊さんを取材するチャンスもあるかもしれない……。ウラロジ仙台のライターとしてはどうですか? 今後の展望というか。
花:ウラロジ仙台では、このまま引き続き宮城県関係のクイズを出して、読者の皆さんにもっと宮城県に親しみを持ってほしいですね。新型コロナウイルス感染症が落ち着いて取材とかフィールドワークとかに積極的に行けるようになれば、もっと地元の面白い人やものを取材してみたいというのもあります。
──漫画家の花さんもライターの花さんも応援しております。それでは最後に、ウラロジ仙台の読者の方へメッセージをお願いします。
花:「宮城マスター 一直線!」のクイズは難しいかと思うんですけど、勉強みたいに堅苦しく捉えず楽しんでもらえればと思います。受験料は無料なので、興味があればぜひ宮城マスター検定にも挑戦してみてほしい。宮城県を題材にした漫画とかも結構あるので、身近なところから宮城に関心を持ってもらえたらなと思います。
──宮城が題材になっているおすすめ漫画ってありますか?
花:いま流行りの『呪術廻戦』とか。あとは『ハイキュー!!』、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ、『BLUE GIANT』……『BLUE GIANT』は仙台出身の主人公がジャズをやるっていう話で、ジャズフェスともコラボしてたりします。あとはレジェンド級ですけど、『AKIRA』。
『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズは、作者である荒木飛呂彦氏が宮城県仙台市出身であることも有名です。現在第8部までが発表されており、第4部『ダイヤモンドは砕けない』の舞台であるM県S市杜王町は仙台市がモチーフとなっていて、作中には仙台市に実際にある地名が出てくることも。
『BLUE GIANT』は石塚真一作の、ジャズを題材とした作品。宮城県仙台市に住む主人公・宮本大が、プロのサックスプレーヤーを目指し奮闘する物語です。
毎年秋に仙台で開催される「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」ともコラボしており、2021年10月には仙台市西公園に記念モニュメントが建立されています。
『AKIRA』は宮城県登米郡迫町(現在の登米市迫町)出身の漫画家・大友克洋氏作の漫画作品です。近未来都市・ネオ東京を舞台に、超能力を持つ子供たちを巡って軍や反政府勢力などが争うSF作品です。
──あっ、らむねさんも好きな『AKIRA』。
花:『AKIRA』って少年漫画、青年漫画として画期的な作品で。大友克洋先生みたいなレジェンド級の作家にもいつか取材してみたい……。
ジャンプの編集部にも漫画ライターとして認められて、ウラロジ仙台の仕事にも繋げていければとも思います。
──めちゃくちゃ緊張しそう。でも検索にひっかかっていつか目に留めてもらえるように今回の記事にもちゃんと書いておきます。今日はたくさんお話聞かせてくださってありがとうございました!
インタビュイー:花
取材・執筆:S
花(はな)
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ウラロジ仙台では主に宮城マスター検定企画を担当していますが、今後はさまざまな記事で活躍してくれるかも……?Twitter:@suetumu_1time