どうも、ウラロジ仙台 編集長の恐山Rです。
社会人の方は年末年始の忙しさの次は年度納めがやってくる……一難去ってまた一難というところですか。学生さんは地獄のテストやレポートも終わってやっと春休み!お疲れのことでしょう。働いていない人も人生が嫌ですよね。そうだよね、世の中はクソだから。
年度の終わりがけ。つまり、あらゆる立場のみんな、お疲れ様の時期というわけです。
たまには忙しい現実を投げ捨てて、自分と向き合う時間も必要だろうなと吾輩は考えました。
ということで(?)、今回ご紹介するのは8BOOKs SENDAI。
本屋でも図書館でもない、会員制の図書施設。旧七十七銀行八本松支店の建物を活用して生まれた2階建ての施設で、およそ1万冊の蔵書に囲まれながらもゆったりと過ごせる空間が特徴です。
読書や勉強、デスクでの軽作業ができる他、トークセッションなどイベントを開催することもあり、「文化と接する場所づくり」を念頭に置いた施設になっています。会員制システムなのは本を読むことや、本がある空間に対する特別感を感じてもらいたい想いがあるからとのこと。
(写真提供:8BOOKs)
忙しない日常から一歩離れて、本と出会う。そんな時間を過ごすのにピッタリの場所ですので、ご紹介していきます。
地下鉄長町駅より徒歩約10分。返却ポートはありませんが、施設の裏手には駐輪場があるのでレンタサイクル「DATE BIKE」の利用もおすすめです。IKEA 仙台(あすと長町)周辺で借りて爆速で漕ぐと気持ち良い上、数分で到着できます(爆速でとか言ってますが、安全第一!交通ルールは守りましょう!)。
言葉から選ばれた本を空間ごと楽しんで
1Fはなんといっても、本に囲まれた空間になっていて、本好きにはたまらない造りになっています。
(写真提供:8BOOKs)
ただ漠然と大量の本があるのではなく、「はじまる」「ふれる」など8つの言葉に関連した蔵書がそれぞれの棚に並んでいます。ビジネス書、海外文学など本のジャンルではなくキーワードで括られているのが面白いですよね。
<8BOOKs SENDAIを構成する8つの言葉>
- はじまる
- ふれる
- かんがえる
- むすぶ
- つむぐ
- はたらく
- つづく
- 暮らす
個人的には「ふれる」「かんがえる」「むすぶ」の辺りは芸術や建築関係の本も多くてテンションが上がりました。森山大道の写真集、ヒッチコックの映画術、東北大学の五十嵐太郎研究室による建築×美術の本など、今の自分が欲している栄養がまさにそこにあるといった印象でした。
それに、大判の本もたくさんあるのはとても嬉しい。大判の本はね、個人であれも!これも!と短期間で全部買っているとすぐ破産しますので……。
フロアをぐるりと見てまわることで、きっとワクワクする棚が見つかるでしょう。
家具のひとつひとつもスマートで、言葉や本に触れる時間が豊かになりそうです。ゆったりとした空間&素敵な椅子で「これだ!」と出会った本を読めるのは嬉しいですね。
親子で楽しむフロアも
2Fは絵本や児童書がメインのフロアです。背の低い棚や椅子、丸みのあるクッションはお子さん目線で嬉しいポイント。余計な遮蔽物がなく空間が開けているのは子どもの動向が分かりやすく、親御さんも安心できそうです。靴を脱いで上がれるのも楽しそうじゃないですか〜。
1F同様、晴れている日は自然光が差し込んで気持ちがいい。開けたオープンスペースの他にも、半個室で落ち着いて読書を楽しむスペースもあります。
親子向けイベントの様子(写真提供:8BOOKs)
文化に接するきっかけとなるイベント運営も
冒頭でも触れたように、文化に接するような場所づくりが行われているのも8BOOKs SENDAIの魅力の一つです。
たとえば、2023年12月には「ちいさな建築からひらかれる街づくり」というテーマでトークイベントも開催されました。銭湯を起点としたまちづくりで著名な(株)銭湯ぐらし 代表取締役・加藤優一さんと東北大学大学院工学研究科で都市・建築学専攻助手を担う幹花建築社・今泉絵里花さんによるクロストークイベントです。
まちづくりや設計事例を通して、小さな拠点からまちに開かれていく事例がある一方で、閉じていくこともある。施設運営と建築設計、二つの視点からまちづくりを読み解くトークとなりました。
- 今泉さんXアカウント:https://twitter.com/occappa
- 加藤さんXアカウント:https://twitter.com/kato_yuichi
左:加藤優一さん 右:今泉絵里花さん(写真提供:8BOOKs)
最新のイベント情報は公式ホームページやSNSから!
Instagram:https://www.instagram.com/8books_sendai/
公式ホームページ:https://8books.jp/
8BOOKsのスタッフの皆さんにポイントを聞いてみました
ー運営について、「ここは他の施設と違うぞ」というポイントはありますか。たとえば「ちいさな建築からひらかれる街づくり」は学生による企画だから寛大な心で……という温度ではなく、大人と対等な立場での企画とのことでしたが。
社員も学生も「良いものをつくる」ことの前では対等で真剣なところです。提案者が学生であっても良いものは採用され、企画から実装、運営まで推進することができます。打ち合わせは楽しく賑やかな一方、年齢関係なく鋭く指摘し合います。「いちばん良い形」を目指したもの・ことづくりに挑戦できる環境です。
ー対等な立場でチャレンジできる環境は素晴らしいですね。理想的な運営のあり方だと思います。ちなみに、スタッフの皆さんとしては、会員の方がどんな風に過ごしてくれたら嬉しいですか。
館内は読書はもちろん、お勉強やお仕事、おしゃべりなどでご利用いただけます。軽食のお持ち込みも可能で、1日じゅう過ごされる方も少なくありません。展示やイベントも不定期で行っています。第三の居場所、あるいは文化に触れられる場所として、気軽に利用いただけると嬉しいです。
運命の本と新しい自分に出会う
8BOOKs SENDAIが掲げる8つの言葉や開催されるイベント・アクティビティは新しい分野との出会いだけではなく、新たな自分の発見にもつながるはずです。
世の中クソだ〜〜〜と疲れている人も、「いや、全然元気だし未来は明るいが……?」という人も、ぜひ時間を作って8BOOKs SENDAIで過ごしてみるのはいかがでしょうか?
所在地:宮城県仙台市太白区八本松1-15-25/地下鉄長町駅より徒歩約10分
TEL:022-748-5781
営業時間:10:00〜19:00
定休日:第2・第4火曜、毎週水曜
利用料金ドロップイン・1日:大人 1,300円 大学生1,000円 中高生、小学生 500円
月額:大人 3,000円 大学生 2,000円 中高生 1,500円 小学生 1,000円
※モーニングタイム/¥500(10:00〜12:00)
※表示価格は税込です。
取材日:2023年12月23日
執筆:恐山R