【なんぞこれ】青葉通で遊ぼう!|青葉通仙台駅前エリアで路上観察!

案件

ウラロジ仙台では「陰キャなりにキラキラまちづくり界隈に首をつっこんでみる」ムーブを陰キャがゼロから考えるまちづくりシリーズ(略してゼロまち)と題して、2022年の春先から青葉通駅前エリア周辺でのまちづくりの話題を追ってきた。

陰キャ_まちづくり▲なんだかんだ、こんなノリで2年間近く青葉通周辺のまちづくりの話題を追ってるぞ!

そして、2024年度が始まろうとしているタイミングで、青葉通駅前エリア周辺のまちづくりを担う仙台市 都心まちづくり課担当職員たちから相談を持ちかけられたウラロジ仙台編集部であったが……。

仙台市・颯田さん
2022年に開催した社会実験 MOVEMOVEが終わって、2年経過しようとしています。今は仙台市と民間の関係者とともに青葉通駅前エリアの方針「将来ビジョン」を検討している段階ですが、市民の皆さんとしては何が起こっているか分かりにくいですよねえ。
仙台市・鈴木さん
ウラロジ仙台の皆さん、何か良い案はありませんかね。ビジョンづくりと並行して、社会人や子育て支援系のコミュニティづくりはもちろん、カルチャー系に寄ったおもしろい動きも作りたいの。青葉通はまだ「MOVE」してるんですって。

 

_____何かって、なんなんだ。

 

 

 

恐山R
仙台都心部は再開発が進んでいて、自分たちの遊び場がいつなくなるか、増えるかわかりません。だから、「青葉通とその周辺を自分たちで遊び場にしていく」企画をご提案します。いつまでもあると思うな、アミューズメントといいお店。
仙台市・颯田さん
本当のところは?
恐山R
青葉通で好き放題したいんです。
かい
なので、2024年度はその第一弾として、路上観察で遊びます。自分たち、まだやれます。やらせてください。
路上観察とは
ストリートが持つ「超芸術性」に着目した考現学、それが「路上観察学」。観察対象は全く意味を持たない無用の建築「トマソン」や看板、張り紙など多岐にわたる。ウラロジ仙台では #ウラロジ路上観察 というハッシュタグでX(旧Twitter)を中心により広義な「まちなかでグッときたもの」を読者とともに投稿している。

 

恐山R
いつか青葉通でサメ映画を撮りたいので……地下道ザメを。ロケハンです。
仙台市・鈴木さん
青葉通にサメ!!
仙台市・颯田さん
仙台駄菓子本舗 熊谷屋さんがごくたまにサメの練り切りを販売されているようですが……木町から青葉通へ逃げてきたみたいな……?
S
サメ映画はらむねさんが撮りたいだけでしょ。仙台市さん、引っ張られてるから。
仙台市・颯田さん
青葉通を中心とした仙台都心部のまちをよく観察して、次年度は遊び場づくりにつなげていく。いいんじゃないですか。
仙台市・鈴木さん
それはきっと何十年後かに、貴重な記録にもなるはずですね。まずは私たちでやってみましょうか。

そんなこんなで、青葉通を自分たちで遊び場にしていくというアホな計画企画が通ってしまいました。

 

それでは、レッツ路上観察です!

 

5/26(日)「青葉通で遊ぼう」作戦開始!

チュートリアル:公開空地

本日はウラロジ仙台編集部メンバー6名に加え、仙台市職員のお二方にお集まりいただきました。よろしくお願いいたします!

S
まずはチュートリアル的に「公開空地」から行ってみますか!
公開空地とは
公開空地とは、ビルやマンションの敷地に設けられた一般の方が自由に出入りできる空間のこと。行政の制度を使うことで大きく設計できるなど規制緩和にもなる。この概念を知っていると「非公開空地」を見つけたり、置かれている椅子の無骨さに笑えたり、ちょっと面白いかも。
▲青葉通パークビルディングの公開空地。皆さんもDATEBIKEやLOOPを借りに立ち寄ったこともあるのではないでしょうか?
▲あちこち見てまわると……?

 

確かに公開空地にいたんだ……。謎の像……。まるで、天使みたいに笑って……。

 

 

井戸みたいな穴もある……。

公開空地ひとつであっという間に数十分溶けてしまいそうです。しかし、本番はここからなのです。

青葉通駅前エリアを散策!

今回の探索エリアはいろは横丁のあたりから、仙台駅前のペデストリアンデッキ手前(旧さくら野百貨店・旧EDEN周辺)まで。

歩行者の邪魔にならないように、路上を観察していくぞ。

恐山R
まちで何か探してまわる時のポイントのひとつは……見上げてみる!かのまち歩き愛好家・渡邉曜平(わたなべ・ようへい)さんも言っていた。
かい
なので、まち歩きしてきた回で教えてもらいましたね。

いつも下を向いて歩いている人も、こういう時ばかりは上を見てみるべし。

▲ビル同士つながってたんだ。

▲「駐」の字が若干省略されている。わかる?

ということで、青葉通地下道以降からは2チームに分かれて路上観察開始!
とはいえ、バトルではありません。1人ひとつはオモロを持ち帰ってこよう!制限時間、約40分。

旧EDEN側チームの様子

青葉通=普段通り過ぎるだけの道という印象で、最初は観察できるものがあるか半信半疑だった 旧EDEN側チーム。たいてい路上でおもしろいものを発見できるのって、郊外のことが多いですからね。

しかしながら、早速七十七銀行本店に「金融資料館」があったのを発見!開館時間も銀行の窓口に準じていて(15時まで!)面白い(なお、楽しすぎて参考写真なし)

皆さんの視点は看板から徐々に「ビルのすきま」へ。すきまを見比べながら、「どのすきまで何か起きそうか?」を想像して楽しむ一行。

 

すきまの次は、オフィスビルの窓辺の風景にも個性があることを発見。オフィスの人の遊び心が感じられる所もあり。

かい
一見無機質なオフィスビルも、人間っぽくていいなあ。


▲オフィスビルの前の謎オブジェ。なんか筒が包まれてる……。

かい
どうしても旧EDENの仮囲いが多いので、変わったところが少ないですね。
S
あっ。

 

S
かわいい。

旧さくら野側チームの様子

一方、旧さくら野百貨店側チームの様子はというと……とにかく「あれっ?」と思ったもの、全部気になってしまう。路地にも寄り道したりなんかしちゃったりして。


▲「館」の字が「舘」だ。


▲実用的な窓ではなく、意匠……?いずれにせよ、なんか可愛い。


▲旧さくら野百貨店、まじまじ見ると色々発見あり。

仙台市・鈴木さん
あれ、なんでしたっけね。鉛筆みたいな形が、こんなくっきり。何かぶら下げてた?
恐山R
催事とかの告知ののぼり旗のようなものをおさめてた……?でも、こんなにピッタリとハマるものかなあ。記録をとらないと風景の記憶って風化していっちゃいますね。思い出したり、想像はできるんですが。
のちゃ
私が学生時代に仙台に越してきた時は、まださくら野百貨店が営業していました。懐かしい。


▲旧さくら野百貨店は複数のビルがくっついてできているのがよくわかる

大沼
わ、人がギリギリおさまるかおさまらないかの小さいドア。キングダムハーツに出てくるドアみたいだな!鍵穴の形も面白い。
仙台市・鈴木さん
しかも、鍵穴ふたつあるね。
のちゃ
どっちが本物!?
恐山R
こんな絵に描いたような形の鍵穴があるのかよ。こういうのも、今しか観測できないから貴重だね。

ウラロジ路上観察ギャラリー 〜青葉通仙台駅前エリア編〜

それでは、両チームのベストショットをみていきましょう。
あえてあまり解説を加えず、載せていきます。ぜひ、写真を見ながら「どこにグッときたんだろう」「これはなんだ!?」と思いを馳せつつ、ご覧ください。

★このプリント写真シェアは東北大学路上観察同好会さんの「報告会」スタイルをリスペクトした形式で行っています。

三県境(?)/のちゃ(旧さくら野百貨店側チーム)

多様?/仙台市:颯田(旧EDEN側チーム)


無題/仙台市 鈴木(旧さくら野百貨店側チーム)

重点?/佐々木かい(旧EDEN側チーム)


外むけ 会社の顔/艶姫猫子(旧EDEN側チーム)


無題/編集S(旧EDEN側チーム)


デ。⚪︎⚪︎ーキャッスルの入り口/大沼(旧さくら野百貨店側チーム)


liminal space……?/恐山R(旧さくら野百貨店側チーム)

青葉通駅前を歩いてみて

恐山R
皆さん、実際に探索と記録シェアを終えていかがでしたか。
大沼
すごく面白かった。最初、ちっちゃいメモ帳でスケッチをしてまわってたんですけど、それじゃおさまらなくてハンドアウト用紙の裏面になって、追いつかなくて結局写真を撮るようになった。見どころが本当にたくさんあって……
仙台市・颯田さん
青葉通まちづくり協議会さんとも青葉通の写真を撮ってみる、みたいなこともやったんですけどこんな感じの写真は出てこなかったですね(笑)。「走行中にはたばこ吸わないで」ってサインも、普段は何気なく見てスルーしているのに「じゃあ座ってるときはいいのか?」なんて、一歩先のことを考えちゃったりして。見方を広げるのはすごく面白いし、すぐに何かにはつながらなくても、やっていくべきかなって。
仙台市・鈴木さん
青葉通はよく歩いているし、見尽くしたかなって思ってたんですけど。道路のタイルの切れ目とか興味深かったし、切り口次第で色々あるんだって思いましたね。まだまだ遊べるなって。いちいち路地裏も寄ってたら、一日かかるんじゃないでしょうかね。
S
実を言うと、私たちもそれを危惧していました。分かりやすく「おもしろい看板だ〜」ってのがないかもしれないって。でも本当に、あの通りに想定していた以上のポテンシャルがあったというか。
かい
ビッグエコーさんのあたりのビルの隙間にはめちゃくちゃ排気口があったりね。他の人たちから見たら、ビル壁にカメラを向けている集団って「なんだ?」って思うだろうなあとは思いました。そういうのを含めて、まちの景色を変えてくムーブメントになったらいいのかなあ。
恐山R
それこそ白衣着てやれたらいいですね、首都圏清掃整理促進運動の赤瀬川原平たちみたいに。白衣じゃなくても、何かユニフォーム着てやったらそれこそ、まちの色が少しずつ変わっていきそう!
艶姫猫子
ちょっと潔癖症なところがあるので、なるべく極端に汚れていたり、錆びていたりするものを注視しないように見て歩きました。普段は大きな銀行や会社のビル、行ってみたいカフェが立ち並んでるな〜ってくらいなので新鮮でした。
のちゃ
結構、普段から路上観察的な歩き方をする方なんですけど。青葉通をまともに歩いたのは久しぶりだったけど、視線をあちこちに向けるとたくさん発見がありました。

 

「青葉通で遊ぼう」、初回から企画倒れにならず楽しい会になり、一同は本当に安心しました。というわけで、2024年は青葉通(……と、その周辺)で絶対、めちゃくちゃ遊び倒すぞ〜!

企画・執筆:ウラロジ仙台編集部
制作協力:仙台市 都心まちづくり課
<この企画・記事は仙台市都心まちづくり課よりご依頼を受けて企画・運営しています>