【後編】青葉通・仙台駅前で焚き火しようぜ!<許認可への道のり 仙台たき火ティー>

みんな仕事とか家庭とか、あるいはその他、所属するコミュニティで問題を抱えているかもしれないけど、とりあえず「まぁ座れ」。それがたき火ティーのメッセージ。

たき火ティー&仙台市 都心まちづくり課に突撃インタビュー!

ウラロジ仙台編集部・花です。先日、MACHITO SENDAI vol.3に参加してきました。

香りや音、そして焚き火を囲むなど、癒しあふれる空間を体験できる市民参画イベントだったMACHITO SENDAI vol.3。このイベントには先日らむねさんが参加していた「仙台たき火ティー(以下・たき火ティー)」の発起人である大石さんも登壇していました。

私も例に漏れずチルっていたのですが、なんとイベント終了後に「たき火ティー」の大石さん、そして、青葉通仙台駅前エリアで行われる社会実験「MOVE MOVE」で焚き火をするため、関係各所への許可申請のサポートを担当された仙台市職員の大山さんに、改めてお話を聞かせていただけることに!

仙台たき火ティー発起人 大石豊(おおいしゆたか)さん(右)
人事のプロとして採用とキャリア支援を行う傍ら、2021年11月、焚き火と対話のコミュニティー「仙台たき火ティー」を立ち上げ、開催した対話の会は43回を数える。
仙台市 都市整備局 都心まちづくり課 大山宗之さん(左)
一級建築士、未満建築デザインファーム(※)に参加している都市プランナー。民間主体のまちづくり活動の支援やエリアマネジメント推進に取り組んでいるアクティブな人。
※公開空地など、使われていない既存の空間に対して使い方や仕組み、体制等を工夫する事でより良い使い方ができる方法を探求する活動であり、今後建てられる建築に活かされる知見を集めるプロジェクト

「たき火ティー」について

大石さん:MACHITO SENDAIでの「焚き火を囲んで話をしよう」のコーナーはどうでしたか?

花:結構チルってましたね。映像で流れた焚き火の様子、スピーカーから薪が燃える音がするのを聞いていると自然の中に居るような気分に浸れて心地良かったです。

▲MACHITO SENDAI vol.3の大石さんのコーナーで流れた焚き火の映像。激しく火が燃える音ではなく、薪が静かにはぜる音が会場に響いていました。

花:でもチルってたのと同時に、たき火ティーのひとつ前の「まちを面白くする『音』の作り方」で揚げ物を揚げる音やベーコンを焼く音を聞いてからずっと、揚げ物と油ものめっちゃ食いたいって欲望が……。

恐山R:そういえば厚切りベーコン、私がたき火ティーに行かせてもらった時に食べさせていただきましたね。ホットサンドメーカーを使って焚き火で焼いて。

花:めっちゃ羨ましい!そういえば「たき火ティー」のティーって、お茶のティーなんですか?そのTシャツの絵柄みたいに、焚き火でお湯を沸かしてお茶を淹れて。

▲いいTシャツ!

恐山Rお茶会みたいなね。そういうイメージで、飲食に関するイベントを定期的に開催したりすることはありますか?

大石さん:ない(キッパリ)。

花:ないんですね……(落胆)。

大石さん:ないですね。たき火ティーは、別に焚き火パーティーをやりたいわけじゃないですからね。やっぱり対話に比重を置きたいなと思っているので。

だから最初に団体の名前を考えたときにね、焚き火とダイアローグで「焚き火ローグ」とか「焚き火トーク」とか、風呂に浸かりながら考えていたんですけど。でも、何かダイアローグとか対話やりたいんだけど、その結果何が起きればいいのかな?っていうと、その場がハブになって何かが生まれていったらいいなって。

で、焚き火のコミュニティみたいな感じで「たき火ティー」でいいじゃん、となった。

何回かイベントをした後、やっぱり多くの人に知ってほしいなと思って。ビジネスマッチングだったり、行政と民間がつながるセクターとしての役割だったり……今はそこまで考えているわけではないですけど、その感じを踏まえて「たき火ティー」にしました。焚き火のコミュニティで、たき火ティー。

花:語感も良いですし、耳に馴染んで親しみやすい素敵な名前ですね。

まちの中心で焚き火をやるにあたって

花:今回の社会実験でたき火ティーを行うにあたって、火の使用許可等の申請は通っているんですか?

大石さん:いや、まだこれからです。

仙台市・大山さん:通りそうではありますけどね。事前相談はもう全て終わっていて、9月頭には本申請にいきます。本申請よりも大事って言われてる事前相談が終わっているっていう段階で、もう8割くらいは済んでいると言ってもいい。なので、すごく安心してます。※8月27日のインタビューです

大石さん:仮に本物の火を扱うのが結果的にダメだとしても、さっき言った通り対話の場を起こしたいだけなので、そこまで大きな問題にはならないんですけどね。MACHITO SENDAIでも火のついていないランタンを会場の真ん中に置いていましたけど、あれでもいい。輪っかになれれば場は作れるし。焚き火はあくまで、対話のきっかけを作る装置。それくらいの比重だと思っています。

花:社会実験では場所が決まっていますけど、もし自由に焚き火をやるってなったら「こういうところでやってみたいな」と思う場所はありますか?

大石さん:具体的にではないけど、街中でやりたい。なんでかって言うと、やっぱり秋保とかだと「遠くて行けない」って言われるんだよね。

花:確かにアクセスはあまり良くないですもんね。

大石さん:国際センターでやった時は「行きやすいから来た」っていう話があって、実際に30人くらいの人が来てくれたんだよ。多くの人に普段と違った環境でチルってほしいから、より多くのところでやりたいっていうのもある。

花:社会実験をやる青葉通では、地面が舗装されている場所がほとんどかと思うんですが、焚き火ってアスファルトの上とかでもできるものなんですか?

仙台市・大山さん:はい。道路路盤劣化させないために、大石さんが国際セの青葉のテラスで実したの方法を参にして、防熱・耐火シートを敷いてやります。

花:そういうシートがあるんですね。知りませんでした。

恐山R:私もそういうシートがあることをはじめ、焚き火に関する知識が全然なかったので実際に見て感動しましたね。「どうぶつの森で見たやつだ!」みたいな。どうぶつの森で見たやつ、生で見るとこんなに熱いし、明るいんだ!って。

大石さん:熱い、熱いって言っていたよね。そこが大事でさ、火にあたったことによって、何か感じてこうやって言葉に出し始めるじゃん。その中で気づきが起きたりするわけよ。頭で考えていても出てないことが出たりするわけ。その気づきを、話を聞いてくれる人が近くにいる中で得られるっていうのは、すごくパワフルなことだと思っていて。そのパワフルな出来事が生み出される場をつくりたい。

二人の出会いは「ナンパ」!?

花:ちなみに大石さんと大山さんが出会って関わるようになったのは、大山さんが大石さんが焚き火をする為に必要な許可申請サポートの担当になってからなんですか?

大石さん:ナンパされたの、俺。

花:ナンパ!?

仙台市・大山さん:まさにそうですね(笑)。急にですよね。今回青葉通界隈で行われる市民参画イベントは3回目にあたるんですけど、来場者アンケートの「駅前で何やりたい?」っていう質問に対して、市民の方から焚き火とかアウトドアって意見は初回から出ていたんです。

仙台市・大山さん:ただ、庁内では「焚き火どうやる?」「絶対無理でしょ」みたいな声もあって。でもそうやって否定されると「本当にできないのかな?」っていう好奇心も逆に湧いてきて、何でできないかをちょっと突き止めてみようと。それで「仙台 焚き火」とかで調べていたら、焚き火を毎週集まってやっている人がいるっていうのを見つけて。しかも場所が、青葉の風テラス

大石さん:2022年5月のときね。

▲青葉の風テラスで行われた焚き火の様子を綴った大石さんのnoteにも注目。

仙台市・大山さん:この雰囲気を見て「これだ!」と思って、場所を管理している指定管理者さんに聞いて、大石さんをご紹介していただいたんです。焚き火そのものが目的じゃなくて、対話に比重を置くという大石さんの考えにも共感しまして。そういう目的だったらいけるかなって。

大石さん:そうなんだ。

花:大石さん、知らなかったんですか!?

仙台市・大山さん:焚き火の先に作りたいのが、本当に先ほど大石さんも話していたような雰囲気だったので、相談してみたいなと思ってお声掛けさせていただきました。

大石さん:ありがたい話です。実際の場合、多くの人は声掛けてこないわけ。だけど、この人は、それをするわけよ。

花:たしかに。面白そう、と思っていても声掛けるまでに至るって結構大変というか。勇気もいりますしね。

大石さん:そう、勇気なんだけど。だけどもうやむにやまれずやっているわけ、この人。考えてとかじゃないと思うんだよね。

仙台市・大山さん:じゃないですね。

大石さん:子どもの遊び場づくりに取り組む「認定NPO法人 冒険あそび場-せんだい・みやぎネットワーク」の根本さんも同じようなもんでさ、質感は違うんだけど、何かもうやらざるを得ない感じになっている。まちづくり、をはじめとした面白い取り組みについて。こういう人たちが束になった時にすごいことになる。

仙台市・大山さん:誰もができないって思っていたんですけど、できない理由は具体的に誰も答えられなかったので。これを機にちょっと突き詰めたいと思ってやってみたらもう、いつの間にか許認可手前まで来ていて。意外とハードルが少なかった。皆知らなかっただけで。

恐山R:いや、本当に大山さんは見た目は爽やかなお兄さんって感じだけど、めちゃくちゃど根性の人だから。本当にすごい。これはすごい功績ですよ。

大石さん:ど根性ですらないんだよねこの人(笑)。たぶんやらざるを得ない感じ。

花:「なんでできないか」という疑問からここまで動けるってすごいです!

公道で焚き火をやるにあたっての関門突破の話

許認可関係の話にいっていいですか?ひとつひとつどんな関門をクリアしていったのか、その時系列を知りたいんですけど。

仙台市・大山さん:そうですね。まず、順番でいえばこんな感じです。

▼大山さんが挑んだ関門たち

  1. 青葉消防署
  2. 青葉区道路課
  3. 宮城県警察
  4. 中央警察署

最初は、青葉消防署。火を使うイベントをするなら絶対消防署は避けられないので。こういう焚き火だけじゃなくて、キッチンコンロで調理するとか、あと縁日などの露店で焼きそばやるのもそうですね。

その次で言うと、青葉区道路課。道路をこういう風に使いたいですって話をしました。更に宮城県警察を経由して次に中央警察。

花:宮城県警を経由して、中央警察署?

仙台市・大山さん:はい。先に中央警察署に行っちゃうと、「本部はいいって言っているのか?」って話が戻ってしまうので、先に首を。…というのはわかりやすい真面目な冗談で、青葉区を所管する中央警察署とだけ協議を進めて実現できたとしても、今後同じようなことを他地区で実施しようとするときに、「あれは青葉区だからできた」と特殊事例として扱われないようにしたい思いがありました。そのために、宮城県警察にもちゃんと説明した上で、この企画を実施することを当初から念頭に置いていました。

花:なるほど。まずは、でかいところをね。

仙台市・大山さん:まず道路で火を使うって状態を誰も見たことないはずでしょう。「道路で火を使いたいんです」なんていきなり言ったら、もう……。

花:どういうこと?ってなりますよね……。

仙台市・大山さん:そう、放火魔か宗教行事か伝統行事など、すぐにイメージできるものがマイナスイメージだったり、非日常的な行為しかない(笑)。日常的に道路で火を使うっていうことを誰もやったことがないので、想像がつかないんです。それで日常的に道路で火を使う状態ってどんなことだろう?って考えてみると、意外と例が出てくる。たとえば聖火ランナーが火を持って走るっていうのもそうだし、よく見かける事例で言えば、路上での喫煙もそうですよね。

「道路で火を使う」と考えるといかにもダメそうですけど、日常の中にも道路で安全に配慮して火を使う場面はときどきある。それを具体的な例として挙げることで、「それならOK」って思ってもらえるんじゃないかと。

仙台市・大山さん:青葉消防署に先々週行ってきたんですけど、道路で火を使うときに必要な手続きを知らず、今回、初めて火煙発生届を申請しました。こういう手続きを私も含めて意外と誰も知らなかったんですよ、仙台市の職員なのに。今まで知る機会もきっかけもなかったから。たとえば伝統行事のどんと祭でも火を焚きますけど、その際も届け出しているそうで。

花:なるほどなあ。やっぱり青葉消防署は難関でしたか。

仙台市・大山さん:そうですね。今回上手く話が進んでいったのは、青葉の風テラスでたき火ティーのイベントをやっていたっていう前例があったのが大きかったです。

花:公共施設でやっていたっていう前例があったから。

仙台市・大山さん:「青葉消防署が許可したんだ」ってなって、青葉区道路課も真面目に考えるようになってくれたんですよ。

花:消防署が許可出しちゃったから、道路課も「しょうがないですね。できるんでしょ?どうぞ」みたいな。

仙台市・大山さん:はい。最初の一歩ってすごい大きくて。

大石さん:建築設計に加え、都市計画やまちづくりにも取り組んでる、株式会社 都市設計の取締役の氏家 滉一さんって人が青葉の風テラスでのイベントにも関わっていて、「見る人が見たら本当にやばいことがわかる」と言っていた。イベントをやった当事者だからこそ、そのインパクトを一番理解できている。そういうやばいことをする熱量ってすごく大事で。その熱量を持って前例を一緒につくった氏家さんって人がいたから、同じように熱心な大山くんとの出会いもあったんだよね。

花:青葉の風テラスでのイベントでも、大石さん氏家さんはこのフェーズを踏んでいたってことですよね。

仙台市・大山さん:そうですね。青葉の風テラスがあるのが地下鉄東西線の国際センター駅の上なので、2番目の申請が交通局になるんですけど、フローは一緒です。

本当に誰もが、駅の上で火を使えるって思っていなくて。青葉の風テラスの設計に携わった職員も、みんな「絶対無理だ」って言っていたのに、できちゃったから。本当に衝撃だった。

花:設計者が全員無理って言ったのに成し遂げたのヤバすぎる……。

仙台市・大山さん:交通局が許可したことにも驚きました。でも、詳しく聞くと、火気使用責任者を立てたり、避難ルートを明確に示したり、駅舎で煙が上がっていても火事だと誤認されないように青葉の風テラスの指定管理者(都市設計の氏家さん)が丁寧に交通局などの関係者と協議を進めておかげで実現できたことを知りました。それがあったので、今回も「じゃあ道路でも道路管理者に丁寧に説明すれば焚き火いけるんじゃね?」って、応援してくれる上司や先輩などが増えていきましたね。

大石さん:いやー、仙台市すごいな。都心まちづくり課すごいですよ。

恐山 R:都心まちづくり課ね、ちょっと尖ってるから。本当に大好き。

大石さん:でもそういうことだよね。尖っている人がやってくれているおかげなんですね。

大石さんの体験

花:今までやってきた焚き火の中で、大きな気づきを得た体験はありますか?

大石さん:それはね、いくつかあるんだけど。たとえば冬場ひとりで焚き火しているとき、怖かったんだよね。動物の鳴き声が聞こえて、後ろで何か、ガサガサガサッて音がしたり、クマいるかもしんねえ、って思ったり。まんじりともせず火と向き合っていたときに、「見られている」って思ったんだよね。キツネなのかタヌキなのか、また別の生き物なのか、わからないけど。そのときに何か、安心した。大丈夫だと思えた。

花:「怖い」じゃなくて「安心感」を覚えたんですね。

大石さん:上手く説明できない、直感的なものなんだけど。周りにいるかもしれない動物の息づかいを感じたときに思い浮かんだのが、星野道夫って人の文章で。彼は北極やアラスカを取材し続けた写真家なんだけど、その人も自然の中で、動物の息づかいを感じたって文章を書いている。そういうことを思い出して、「つながっているんだな」って安心感を感じた。

花:すごい貴重な体験ですね!

大石さん:そういう、怖い中にも不思議な温かさとか安心を感じたことはあるね。

花:今のお話を聞いて、私たちが人形館に泊まってきたときのことを思い出しました。怖いけど、どこか落ち着くっていう感覚は通じるところがあるかも。

大石さん:最初は怖いって感覚があるから、ひとりぼっちで固まっているわけよ。一番寒いくらいの時期、真っ暗な中でひとりで固まっていたときに、急に感覚がバコーンって広がった。そこで、「あ、いるな」と思った。動物に見られている俺、見ている動物、何か全部がひとつに思えるような感覚。それはすごく強烈な体験だった。

逆に、「誰かと本当に分かち合いたい」と思う瞬間もある。冬場は星とか月が本当にきれいで……最初はひとりで来て満足して、楽しんでいるんだけど、やっぱり寂しくなったりもするわけ。ぼーっとして空を見上げたら月がきれいに出ているし、それが川面にぴかぴか反射していて。そのときにふと、「ああ、誰かと一緒に見たかった」と思った。どうして俺、ここにひとりでいるんだろう?って。さっき話したこととは逆ベクトルなんだけど、これもすごい体験だなと。

花:すごいですね。焚き火を通じて、その両方の感覚を味わうっていう。

大石さん:たぶん、日によって違うんだと思うけど、そうだね。それこそさっき言った普段感じていない感覚やっぱりその体験をした前と後では変わってくると思うんだよね、何かしらが。

50回近く(※9月17日にちょうど50回目を迎えたとのこと)、のべ恐らく250名位の方と焚き火を囲んで俺が気付いたことは、ほぼ皆が「ああ、今日は幸せだったー」とか「うぅ、なんだこれはー」みたいなうめき声(笑)をあげて帰っていく、ということ。どうやらすごく「幸せ」を感じているようなんだよ。ただ火を囲んで、その時間を共有することにさ。

「幸せ」って言葉にすると簡単だけど、普段の生活の中で皆、それを求めて必死でがんばってる訳じゃん?だけど実際にはなかなか感じられない。というか、多分ある意味で僕らは「幸せ」が何か気付いていない。だけど、焚き火の場でどうも皆それに気付いていくように見える。皆、あるいは自分をよく見ることで気付いたのは、焚き火越しに他人と、そして何より自分と対話をすることで、多分皆「自分と出会い直して」いるってこと。というか、束の間「自分に還っていっている」。そう感じて仕方がない。そして、それが帰り際、皆が声にしていく「幸せだった」という言葉なんだと思う。

俺はその経験をより多くの人とシェアするために、バカみたいに焚き火を焚いてる気がするよ。

ウラロジ仙台の読者の皆さんへのメッセージ

花:我々が運営しているウラロジ仙台の記事から「仙台たき火ティ―」を知る読者に伝えたいメッセージをお願いします。

大石さん:まぁ隣に来て座れ(笑)。いつまででも話を聞くぞ。

花:まぁともかく一旦来いと。

大石さん:ネイティブアメリカンに古くから伝わっている方法に、トーキングスティックを使うものがあって。何か問題が起きたときにはとりあえず火を囲んで車座になって、トーキングスティックを順番に回していって、持っている人が言いたいことを全部言う。他の人はただその話を聞く。それを繰り返して全員が話し終わる頃には、問題はすでに解決している、ていう。たき火ティーではそれをしたいわけ。課題の多くって、技術的なものじゃないので。

みんな仕事とか家庭とか、あるいはその他、所属するコミュニティで問題を抱えているかもしれないけど、とりあえず「まぁ座れ」。それがたき火ティーのメッセージ。

恐山 R:大山さんからも、チャレンジ的な目線で何か一言お願いします。たとえば、鈴木さん、颯田さんのインタビューとかだと「都心の街中で何かやりたいことがあればぜひ連絡ください」みたいなアクションを促すようなことを言ってもらったんですけど。

仙台市・大山さん:そうですね、「これ絶対ダメだろ」って思うようなことでも、本当にやりたいんだったら相談してほしいっていうのがひとつ。ぶっ飛んだ話を意外とみんな相談してこないので、「こっちが答えられちゃうもの」の想定を超えてきてほしいなっていう。

大石さん:なるほど。

仙台市・大山さん:いい意味で行政をちょっと驚かせてほしいな。意外とうちの部署って、私とか颯田さんみたいに民間企業から転職してきた職員が多いので、他の部署と比べると「ザ・行政」っぽくない感じなんですよ。こっちの想定を超えてくるような相談を待っているんですけど、誰も来てくれなくて。

花:「想定を超えてきな」ということで。

仙台市・大山さん:はい。本当に自分でやりたいことだったらいいんです。たとえば道路で屋台を置きたいっていう意見っていっぱい出るんですけど、「じゃああなたできるの?誰と実現したいの?」っていう具体的な問いに、即答できない人はやっぱり多いので。自分がやりたい想定を超えるっていう。そこが大事。

花:あなた自身が起こしたいことでってことですよね。

仙台市・大山さん:そうです。プラス「こんな面白い人がいたので、この人と一緒にこれをやりたい」とかだったら全然問題ない。

花:仲間とか知り合いとやりたいこと。

大石さん:大山くんは超えられないと思うけどね、なかなか。

青葉通仙台駅前エリア社会実験「MOVEMOVE」がいよいよスタート!

2022年9月23日(祝)から10月10日(月)の18日間、青葉通駅前広場で社会実験が開催されます。「仙台たき火ティー」は、期間中の全日の夜間19時から21時まで焚き火を行います。

焚き火を囲んで人と対話するという経験は、スマホを見ながら会話することが多くなった日常の中には無い新鮮さがあり、興味深いものです。たき火ティーと一緒に焚き火を囲む験をしたい方はこの機会にぜひ足を運んで下さい!

取材・執筆:花
編集、制作等サポート:S、恐山R
撮影:恐山R
取材協力:仙台市 都心まちづくり課
大石豊(仙台たき火ティー)
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