【キラキライベント潜入!?】陰キャがゼロから考えるまちづくり 〜MACHITO SENDAI in CROSS B PLUS編〜

ー2022年某日、仙台市役所 都心まちづくり課オフィスにて 打ち合わせ…


ウラロジ仙台編集長の恐山Rは普段学生さんとタコを打ち上げたり宮城県内の道の駅を2日で全制覇したり無茶なことばかりしているが、まちづくり支援や地域産業振興など、ちゃんとしたことにも取り組んでいるのだ!意外ッ!


鈴木さん
ところで、恐山さんはウラロジ仙台というWebメディアを運営されているでしょう。ロリィタファッションの艶姫さんとか漫画に詳しい花さんとかね、運営メンバーが個性的で。記事もいくつか読みましたよ。
恐山R
そ、そうですね(しっかりバレてる…)。
鈴木さん
せっかくなのでウラロジ仙台編集部として3/27開催のトークイベントへ取材しに来てくれませんか。

颯田さん
「MACHITO SENDAI」というまちづくりをカジュアルに考えようという趣旨のトークイベントです。詳細はこちらに。

青葉通で「こんな人に出会いたい」「こんな体験をしてみたい」「こんな時間を過ごしたい」
一つひとつのヒト・コト・トキが集まれば、それは「マチ」になります。
みんなの想いやアイディアが交差するトークイベントを開催します。

引用:仙台の街について考えるトークイベント「MACHITO SENDAI」開催!

ゲストスピーカー:花降る街、仙台 代表・山田剛/NPO法人まちづくりスポット仙台 所属+あいだ研究所 代表・岩間友希/エンスペース株式会社・可野沙織/株式会社 JTB 仙台支店+ONE TOHOKU HUB 代表・手島慧/まちづくり若者ラボ 未来創造Task-Force/FOLK GLOCALWORKS 主宰・奥口文結

ファシリテーター:TOHOKU360 代表・安藤 歩美 

恐山R
うーん、僕個人はこういうことにも関心がありますけど…。ウラロジ仙台はあくまで裏路地(ストリート)精神で運営しているので、このイベントはうちの方針的に堅すぎると思います。ぶっ飛んだ大人たちへインタビューとか、美術館に一晩泊まってみるとか、そういう感じの記事が多いですし。

鈴木さん
そうなんです!まさにそこ。今回開催する「MACHITO SENDAI」では、普段まちづくりに関心のない方にも足を運んでもらい、そこでどうやってアイディアや考えを引き出すかをテーマにしています。ただ、そういう雰囲気を醸し出しても堅い話題のイベントにほぼ来ないであろう層はいて…というか自分も、どちらかと言えばそっち派かもしれません。

真面目そうなトークイベントに潜入?本当に?

オタクに優しいギャルとは
見た目は派手でおしゃれで陽キャなのに実はオタク趣味を持っていて、周りの人間全てに分け隔てなく優しいがゆえに、本来は相容れないはずの陰キャなオタク君とも仲良くしてくれるようなギャルを指す。主に漫画やイラストなど創作の中で「萌え」「尊い」とされている、現実においては存在がほぼ確認されていない幻のギャル。

 

というわけで、ウラロジ仙台編集部メンバー・S、花、恐山Rの3人で「MACHITO SENDAI」へ潜入取材することに。

いよいよ「MACHITO  SENDAI」当日

そして、「MACHITO SENDAI」開催当日がやってきました。本日は6人のゲストスピーカーがお話してくれるとのこと。

会場は仙台市青葉区大町のCROSS B PLUS。普段はレストランとしての顔も持ち合わせているキラキラ空間です。もう既に眩しくて溶けそう。

今回のイベントでは新型コロナウイルス感染症の影響により飲食ブースの出店が中止になってしまいましたが、少し情勢が落ち着いたら飲食含みのイベントなども期待できそうですね。

CROSS B PLUS
【所在地】宮城県仙台市青葉区大町1丁目1−30
【営業時間】
<平日・土・祝前> ランチ 11:30~15:30 (L.O.15:00)
<平日・土・祝前>ディナー 17:00~22:00 (食事L.O.21:00 / ドリンク L.O.21:30)
<日・祝> 11:30~19:00 (食事L.O.18:00 / ドリンク L.O.18:30)
【定休日】不定休

S
え〜、お楽しみ系のブースが無いなんて…どうなっちゃうんだ!?
あ、でもフラワーアレンジメントのワークショップが始まりましたよ。

「花降る街、仙台」 山田剛さん

「花降る街、仙台」 代表・山田剛さん。今回のトークのトップバッターです。

「花降る街、仙台」 は仙台市内の花屋・フローリストが集結し、多世代に花のある良さを伝えるイベント開催などに取り組むプロジェクト。仙台市内に花があふれる風景をつくるため、スタートアップとしてJR仙台駅ペデストリアンデッキ周辺や青葉通などに花を植える取り組みを行なってきました。

代表の山田さんがお花に関心を持ったきっかけは「交流の起点が花になるのは素敵だと感じたから」の他、「モテるかもと思った」とのことで、会場の笑いを誘いました。確かにお花関係はモテそう。

▲山田さんのアドバイスのもと、会場の皆さんも楽しそうに手を動かしていました。

「あいだ研究所」 岩間友希さん

2番目のスピーカーあいだ研究所岩間友希さんもなかなか個性的な方です。JR仙台駅東口に期間限定で登場した広場「EKITUZI」の企画・運営や特定非営利活動法人まちづくりスポット仙台での活躍が記憶に新しい方も多いかもしれませんね。

岩間さんは東京都出身ながらも東北の日本酒が好きすぎること、そして東日本大震災をきっかけ仙台へ移住してきてしまったパッションが半端ない人。復興支援活動を通して東北に住む人たちの逆境にもめげない底力を知り、惚れたんだとか。

そんなパワフルなイメージの岩間さんですが、実は普段から何もないところで転んだりうっかり自身のiPadの画面割ったりしているそう。気をつけなはれや!

ちなみに岩間さんはこの日膝を強打し、次の日もなかなか痛みが引かなかったそうです。お大事にッ!

岩間さんは自分が主役になってまちづくりに取り組むのではなく、地域でやってみたい活動がある方の支援やコーディネート等に取り組んでいます。「こんなことをやってみたいけど具体的にどうしていいかよくわからん」という方がいれば今後のアクションを一緒に整理し、「違う地域の方の話を聞いてみたい」という方がいればおつなぎしたりする。まさに人と人との「あいだ」ですね。

Youは何し「MACHITO SENDAI」へ?

スタート時点から既に20人以上のお客さんが来場しています。まちづくり関係のイベントに自ら足を運ぶのは、一体どんな人たちなんだろう……ということで、来場者インタビューを敢行してみました!

ストリートファニチャーを展開しに来たYou

池田さん
株式会社NTTファシリティーズ東北支店の建築設計担当主査・池田浩二です。今日は若手社員たちと一緒に入り口にある『まちのキバコ』を展開しに来ました。こちらは、青葉通に賑わいを作りたくて制作したものなんです。​​椅子(スツール)や棚として機能するんですよ。

(左)2021年夏ごろからBTSにハマっている社員の相原さん
(中)「『SHIROBAKO』はいいぞ」と語る社員の鈴木さん
(右)サックスが趣味の池田さん

池田さん
普段は公共施設や美術館などの建築設計に取り組んでいますが、地域と関わることも大切にしています。このキバコは、2020年10月に青葉通で開催された社会実験の際にはじめて設置しました。主催の青葉通まちづくり協議会の皆さんに提案して、実現したんです!
池田さん
このキバコは今日一緒に来た若手社員たちと一緒に手作りしたもので、石巻産の杉を使っています。​​椅子(スツール)などの用途で使ってもらうだけでなく、キバコにペイントしてもらうワークショップを開催したこともありますよ。
恐山R
入り口にあったカラフルなキバコはワークショップで塗ってもらったものなんですね、可愛い。このキバコ、椅子以外にも色々と活用できそうですが、今後どのように使われていきたいですか。
池田さん
自分の好きな形につなげたり、運んだりできるものを目指したので、自由に使ってもらえたらと思っています。飾れる棚にもなるので、アーティストが作った作品を展示する棚や、緑を入れてプランターにも使っていただけたら!
恐山R
多様な使われ方が出てきそうで楽しみですね。ところで、ご趣味はサックス演奏とのことでしたが、ジャズをテーマにした漫画『BLUE GIANT』は読みました?仙台の名所も度々登場しますけど。
池田さん
実はまだなんですよ。今度読んでみようかなあ。
恐山R
では今後、履修していただいて!

東北生まれのアニメでまちを元気にしたいYou

永田さん
永田将真と申します!僕は東北大学理学部の4年生で、同じ大学の友人と共に2019年に立ち上げた学生団体Pompadourとして青葉通周辺のまちづくりに関わっていきたいと考えているので、ひとまず今日のイベントに来てみました。
恐山R
Pompadour、団体名が既に可愛い。どういった活動をされてるんですか。
永田さん
身近な社会課題を解決したいと考えた学生を団体として後押しできる体制づくりや、実際に課題に感じたことに対してアクションしています。コアメンバーは10人で、デザインや企画が得意なメンバーもいるので、1人では解決できないことも団体として取り組むことができます。
実際、どんな課題に取り組まれてきたのでしょうか。
永田さん
実際の例としては、コロナ禍で学生と大学の先生方との距離感に寂しさを感じていたのを解決したくて、東北大学総長の大野英男さんと有志東北大生によるディスカッションを行う対話イベント「大野英男総長と語る東北大学 Vision 2030」を主催しました。一番上の立場の方に協力いただくことで、学校全体がコミュニケーションを取りやすい雰囲気にできたらと思ったんです。
恐山R
い、いきなり大学のトップを狙うなんて、まるで武将みたいだ。 …この子は武将なの!?
S
はいはい、そうですね…(笑)さて永田さん、青葉通周辺のまちづくりではどんな動きを予定されていますか。
永田さん
自分たちは東北や宮城県にゆかりのあるアニメ作品を活かして何か面白いことができないか画策しています。若い層って、アニメとか好きだから刺さるといいなあ…という想いで。具体案はまだ構想中ですが、ここ数年はコロナ禍の影響で夏祭りの中止が続いて寂しいですし、アニメのキャラクターがバーチャルで接客してくれる夏祭り風の出店はどうか、なんてアイディアも上がっています。
最近では、岩沼市を舞台にした『バクテン!!」』などのアニメ作品もホットですしね。好きなアニメや推しキャラクターはいますか。
永田さん
そうですね!僕個人としては『呪術廻戦』が好きなので、その辺りを推せたらいいなあ、なんて(笑)。ちなみに、呪術廻戦の推しは五条悟先生です。漫画やアニメのキャラクターを活用するにあたって権利関係が課題ですが、頑張りたいと思います!

大学4年生なのに大変しっかりしている永田さんはそう話すと、少し照れながらも領域展開してくれました。変な大人たちに絡まれても笑顔で話してくれてありがとうね。

レディライクなワンピースが似合うYou

恐山R
コミュ障すぎて、もう誰に声をかけたらいいかわからん。
S
これだから陰の者は〜!
恐山R
とりあえずそこのお姉さんに写真だけでもお願いしましょうか…。おーい、すみません〜!
???
わ!「Youは何しに」だって、あはは!写真ですか、いいですよ。
恐山R
なんだかノリで写真撮影してしまってすみません。で、Youは何しに「MACHITO SENDAI」へ?
???
ふふ、そろそろ出番なんですよ。
恐山R
…?????

さて、そろそろ3番目のスピーカー・株式会社エンスペース・ 可野沙織さんの番ですね。あ、ご本人が登場しました!

ア!!!!!!!

 

 

鈴木さん
声でかっ!
さっきのワンピースがお似合いのYouは可野さんだったんですね。

2018年にスタートした青葉区国分町のシェアオフィス・コワーキングスペース「enspace」責任者である可野さん。普通のコワーキングスペースではなく、「地域に根付いて愛される場所にしたい」という想いで運営されています。

現地運営にはたくさんのインターン生が関わっているとのこと。学生たちも社員と同じく主体的に仕事に取り組める環境、そしてコミュニティマネージャーがいることはどこのコワーキングスペースにも負けない強みです。
※コミュニティマネージャーがいるコワーキングスペースは宮城県内でも3〜4ヵ所しかないそうです。

▲ちなみに、enspaceは元々マンションとしても使われていたビル1棟を買い上げてリノベーションして作ったという経緯があるそうで、編集部一同驚きを隠せませんでした。

そんな可野さんですが、パソコンに大量のステッカーがボムられていたり、enspace内に設置している酸素カプセルを「精神と時の部屋」と呼んでいたりと、若干こちら側に寄っている部分が窺え、我々としては少し安心感がありました。


▲ステッカー貼っちゃう、わかる〜!


▲岩間さん&可野さんのオフショット!ナイスフォトです。

キラキラの洗礼

はじめて知ったことも多くて、今日のトークイベントは勉強になりました。ビルを一棟買い上げてオフィスに改装した坂井大輔(王様達のヴァイキング)という漫画のキャラクターがいるんですが、「現実にもいらっしゃるんだなあ」と思ったり。

▲「王様達のヴァイキング」より

S
キラキラ陽キャの皆さんから「社会」そのものの洗礼を受けてしまったなあ。花さんが言っていたように、漫画のキャラクターみたいに活躍している人たちが本当に実在しているものなんですね。知らなかった。
恐山R
そうか、普段はまちづくりの現場へあまり関わらない2人からしたら今日のトークゲストはみんなファンタジー…空想上の存在なんだよな。
恐山R
例えるなら、クラスの端っこでアニメや同人誌の話題で盛り上がっている我々と、学校の中心でキラキラ活躍している皆さんですよ。交わったら、どんなものが生まれるんだろう。

*次回、2022年4/22(金)は仙台市 都心まちづくり課の職員さんにガッツリお話を伺うインタビュー編の更新を予定しています。今回、ウラロジ仙台のようなひねくれWebメディアにお声がけしてくださった意義や、今仙台でどんなことが起きているのか…などなどお伺いします。

…と言いつつも、職員の皆さんの個人的な趣味のお話なども混じえ、次回以降もいつも通り楽しい感じでお届けいたしますので、お楽しみに!

取材・執筆:恐山R
編集、制作等サポート:S、花
撮影:早坂 正信

取材協力:スピーカー・来場者の皆様、仙台市 都心まちづくり課、CROSS  B PLUS