※弊Webメディア・ウラロジ仙台、いつもはこんなかっちょよくレポート記事をまとめたりしないので、今回が特別です。
2024年3月23日(土)、仙台市青葉区木町通・Live Music Cafe DIMPLESにてモジュラーシンセサイザー、ノイズ、実験音楽などのパフォーマンスを楽しめるライブイベント「Deficients Live in Sendai」が開催された。

オーガナイザーは「eerie noise records」hiroyuki chiba氏。以前ウラロジ仙台でもレポートした Rudolf Eb.er(ルドルフ・エバー)をゲストとしたノイズサウンドのライブイベントのオーガナイズも担う。
今回はパリのアーティスト・Deficients(Alexandre Pomero fromVice de Forme)をゲストとし、前回に比べ多様なスタイルのアーティストが集結した。
フランス・パリを拠点に活動するノイズ集団Vice de FormeのメンバーAlexandre Pomeroがソロ名義Deficientsでjapanツアーを行います。
2023年開催「Rudolf Eb.er in Sendai」でのルドルフ氏のパフォーマンスを“呪術的”とするなら、Deficients氏のパフォーマンスの印象は“恐怖、不安(Terror)”。ラウド色もあり、ダークである。暗闇を掘り進んでいくような、油断していると飲み込まれてしまうサウンドだ。

▲ラストはhiroyuki chiba氏とDeficients氏のセッションで締め括った
フランス特有の「フレンチ・ノイズ」はじめ「フレンチ・コア(Hardcore techno)」「フレンチ・プログレッシブ」あたりを横断して聴いてみると共通項が見出せて面白いし、数多くのオルタナ然としたフランス発サウンドに出会えるだろう。
参考……SISTER IODINE
オキニ!
続いて、出演アーティストについても紹介していく。
大内亮
大内亮氏のピアノ演奏からライブはスタート。本イベントでは現代音楽家・武満 徹※氏の楽曲を演奏。引き伸ばされた時間のゆらぎを感じられるようなパートもあり、ある種の心地よさも感じられた。

※現代音楽家・武満 徹(1930~1996)……現代音楽家。ほぼ独学で音楽を学び、前衛的な手法での楽曲制作が高く評価される。晩年はオペラ制作にも取り組む。
また、大内氏は学生時代から現代音楽の制作・能楽の研究等に励むなど学術的にもしっかりとしたバックボーンを持ち、近年では楽天イーグルスの球場演出の音源アレンジも担当する実力派。これまた目を離せない人物が仙台に……。
mmisaki
ボディの無いエレキギターで紙や金属をスライドさせたり、息を吹き付けると「ギターからこんな音出るのか!?」とサイレンや叫びを思わせるような音が鳴る、目が離せないパフォーマンスを見せてくれたのがmmisaki氏。正直、使用しているのがネックギターなのかトラベルギターなのかスチールギターなのか10日間くらい悩んでしまったから初稿上げるの遅くなっちゃったのは絶対に秘密。


ちなみにmmisaki氏の所属するハードコアバンド・TASMANIANDEVIL NEVER DIEのMV、疾走感半端なくて好き。ソロ名義で出演する演者から参加バンドを辿るのも楽しい。
TASMANIANDEVIL NEVER DIE
Jai
浮遊感のある音の中でもノイジーな音の出入りがあり、アンビエントのようなJai氏のパフォーマンス。木目調のモジュラーシンセサイザー(以下・モジュラーシンセ)・cocoquantus2 やワイヤーレコーダーを用いるなど、「どうやっているんだろう(何を使っているんだろう)」とビジュアル的にも引きこまれるのも、実験音楽系イベントの醍醐味だ。


bandcamp:https://nordperduedition.bandcamp.com/
炎
「福島県から来ました。noise collective、炎です」と飾り気のないシンプルなMCから始めた、炎。ギター・nob、ボーカル(ドラムマシン)・ コブラ、モジュラーシンセサイザー・haveから構成される3ピースノイズバンドだ。2023年開催「Rudolf Eb.er in Sendai」ではhave氏がソロで出演していた。

HEADZ※のDNAを感じられるポリメトリック的サウンドに思わず膝を打ったが、彼らは自分たちの音楽が⚪︎⚪︎みたいだ、エクスペリメンタルだなどと定義されることを望まないだろう。
※HEADZ……口口口(クチロロ)、空間現代などを輩出した佐々木 敦(批評家)主宰の音楽レーベル。
hiroyuki chiba.
静けさから満を時してchiba氏らしいエネルギッシュなサウンドが轟く。途中アーメンブレイク的な刻みも感じたけれど、もしかしたら幻聴かもしれない。読者が不安になりそうなレビューである。いずれにせよ、「らしさ」が感じられるパフォーマンスだ。

なおchiba氏は2024年、東北・関東をまわるツアー「hiroyuki chiba. weekend tour 2024」を絶賛開催中。以下、ご紹介する。
hiroyuki chiba. weekend tour 2024、開催中
今回のDeficients Live tour開催後、東北を中心に巡る「hiroyuki chiba. weekend tour 2024」全日程が発表された。力強くコンタクトマイクを振りおろしたり咥えたりするchiba氏と各地のエクスペリメンタル&オルタナティブなアーティストのパフォーマンスを見られるチャンス、ぜひお見逃しなく。
<開催済>4.20(土)宇都宮@music bar lynch
https://lynch-music.jugem.jp
with福田一成(パラドキシーズ)小山ゆうすけ(ふゆうか)
DJ 野沢マサキ+フナミタカヒロ
https://facebook.com/events/s/hiroyuki-chiba-noise-live-in-u/434363709237306/…
5/18(土) 岩手@Dee Dees cafe
http://users.catv-mic.ne.jp/~deedee/index.html…
with おしゃれハンターXX.justin doub(us)
6/1(土)仙台@Live music cafe Dimples
https://dimples.live
with 原田仁/妖精マリチェル/炎
6/22(土)山形県鶴岡市@なんだ屋
https://nandaya.net
with 松本健一(sax)
7/13(土)米沢ARB
http://live-arb.com
7/20(土)酒田港座
https://minatoza.shonai.asia/3747.html
8/31(土)福島県二本松市LivespoSOLA
https://facebook.com/livespotsola
9/7(土)東京@oriental force
https://lit.link/orientalforce
with 多田正美
(OA)natsuehitsuji
9/21(土)青森@live cafe bar atom
http://cafebar.atom-master.com
with hanaka
会場情報
Live Music Cafe DIMPLES
所在地:宮城県 仙台市青葉区木町通1-4-34 石田ビル1F
アクセス:地下鉄北四番丁駅より徒歩10分
営業時間:ライブイベント開催時のみ営業/イベント開催スケジュールはSNSにて随時更新
定休:月曜日
instagram:https://www.instagram.com/dimples.sendai/
HP:https://dimples.live/
執筆:恐山R
編集:S