ウラロジ仙台編集部の「トリセツ」って?
トリセツとは、ウラロジ仙台編集部のメンバーの「取扱説明書」の意。
ローカルな話題にとらわれず、編集部メンバーの紹介や個人的な趣味の話題などにスポットを当てていくコーナーです。
担当している企画やSNSからは伝わらない、編集部メンバーの別の顔、新たな一面を楽しんでいただければと思います!
……あれ?なんかイントロが古いな。
編集部メンバー全員紹介し終わって第2期に移行したのに第1期のイントロ間違ってコピペしてきた……というわけではなく、今回は本当に第1期のリバイバル。実はウラロジ仙台、この度新たな編集部メンバー・委員長さんをお迎えすることとなりました。
まだ表立って記事に名前など出てきてはいないものの、すでに活動には参加してくださっています。が、そのために逆にゆっくり話す機会が得難く、仕事の話はそこそこしているのにプライベートな話はほとんどできていないという事態に。
今回は私がトリセツ担当という立場を振りかざし、謎に包まれた新人・委員長さんのお話をじっくり聞いてまいりました。皆様にもちょっとだけお裾分けです。
多趣味の理由は「やりっぱなし」?
──先日の編集会議ではありがとうございました。初めて編集部のみんなと話してみて、どうでしたか?
委員長:正直に言うと質問されて答えるばかりで、皆さんの話を聞けなかったなというのが大きいですね。会議のあと山形に行く予定で時間が足りなかったのもあって、自分が話すばっかりで終わってしまって。だからまだあんまり……皆さんのこととか温度感とか、よくわからないかも(笑)。
──すみません、みんな興味津々でつい質問責めに……次は囲み取材にならないようよく言っておきましょう。ではまず、簡単な自己紹介をお願いします。お仕事など、言える範囲で構いませんので。
委員長:……どのくらいまで自己開示しようかな。
──もう不穏だ。
委員長:ええと、転勤の多い仕事をしていて、その関係で数年前から仙台に住んでいます。普段は本業の合間に本を読んだり漫画を読んだり音楽を聴いたり、あとは仙台の街をうろうろしてます。
──うろうろというと、明確な目的地は持たずに、あてどなく?
委員長:行きたいお店の目星は軽くつけますよ。1軒2軒は行きたいところを決めておいて、あとは自由に。道中気になるお店があったら入ってみたり。古着屋さんに寄ることも多いですね。
──じゃあ結構アクティブというか、休日は外に出たいタイプ。
委員長:そう思うこともあるけど、それだけでもないですね。ゲームも好きで、最近はポケモンZAをしてますし。何でもかんでも手を広げたがりというか、極端に言うと興味ないジャンルがない。
──興味ないジャンルがない!?
委員長:なんでもかんでも手を広げてやりっぱなしなんです。どんな話題を振られても大抵は何かしら話ができると思います。逆に「趣味は何か」と聞かれると難しいですね、好きなものが多すぎるので……嫌いなものを聞かれた方が答えやすいくらい。
──多趣味を超えてる。ちょっとその辺りも、後ほど掘り下げさせてくださいね……。
「なんで福島のお店を紹介してるんだろう、ウラロジ仙台なのに」
──好きなものやことがたくさんあって、お忙しそうに見えるんですけれども。その上でさらにウラロジ仙台に連絡くださったのはどうしてでしょうか。そもそもウラロジ仙台のことはいつ頃からご存知でした?
委員長:まず、ウラロジ仙台を発見したタイミングですね。これははっきり覚えてて、数年前、まだ仙台に来る前ですけど、アクアマリンふくしまに行ったことがあるんです。その近くにあるイオンに出ていた服屋さんの看板が気になって、店名で検索したらウラロジの記事が出てきた。
──福島? ……あ、猫子さんの記事か!
▲トレーラーハウスで営業しているお店・alchemistを紹介した記事。委員長さんが見たと思われる、イオンモールいわき小名浜店前にある特徴的な看板の写真も載っています。
委員長:その時は「なんで福島のお店を紹介してるんだろう、ウラロジ“仙台”なのに」と思って(笑)。そこから気になる記事を他にもいくつか読んで、そのときはそれで終わったんですけど。
──仙台と言いつつ意外と東北全体の話題を扱いがちなんですよね。猫子さんは特に、ご自身がそもそも山形の方ですし。仙台に引っ越してからも見てくださってましたか?
委員長:はい、まさに仙台に来たときに思い出して、また読むようになりました。それでも最初は自分が積極的に参加したいとか何か発表させてほしいとか、そういう感じではなくて。それが変わったのは今年のはじめに、日比谷野音でアーバンギャルドのライブに行ったときですね。曲は前から聞いてたけど、ライブはこのとき初めて行ったんですよ。
▲アーバンギャルド「昭和百年野音戦争」より、特に印象的だったという『僕が世』のライブ映像。2月の寒さを感じさせない凛とした姿が素敵です。
委員長:そのライブを見て、このままただ何もしないで生きていくのがもったいないような気がしたんです。ただ仕事をして、ちょっと好きなことをして、ただ生きていくのではなくて……何かしてみたい、してみようと。そこで最初に思いついたのが文章を書くこと。その流れで映画に関するZINEを発行してみたり。
──行動力がすごい。大人になると、こうして感化されてもなかなか実際の行動には移せない人も多いと思うんですよ。仕事だったり家族だったり、日々の暮らしだったりがどうしても枷になって。
委員長:自分はそもそも、無軌道になんでもやってみようという気持ちが強かったんですよ。今よりもずっと若い頃の話ですけど。
──無軌道というのは、たとえば?
委員長:本当に、少しでも興味を持ったら何でもやってみようと。DJをやったり、音楽の制作をやってみようとするもやり方がわからず……とにかくやってみようと思ってMCバトルに出てみました。
──MCバトル!?
委員長:しましたよ、MCバトル。
──すごい、ここまで話してて全然HIPHOPの気配なかったのに急にラッパーになっちゃった。バトルに出てみてどうでした?
委員長:即興でラップするのが難しいっていうのはもちろんなんですけど、まず……相手のラップが全然耳に入らない!
──アンサーを返さないといけないのに!
委員長:観客として聞いてると普通に聞こえるけど、相対していると音の方向の問題なのか聞こえづらくて。本当に難しかったですね。今はラップはしてないですが、HIPHOPは変わらず好きで色々聴いています。
▲最近よく聴いているという2曲をピックアップしてもらいました。委員長さんの振り幅の広さ、わかっていただけるでしょうか。
──体験したからこそわかることですね。実際やってみないと即興の難しさ、ラップ自体の難しさを想像するところまでで止まってしまう。
委員長:ただこれは第一次無軌道期の話で、最近……ある程度大人になってからは、のんびり暮らしてました。
──そこでアーバンギャルドのライブにつながるわけですね。第二次無軌道期のスタートだ。
委員長:そういうことです。ウラロジ仙台にもそのノリで応募しました(笑)。仙台で何か面白いことはないかなと思ったときに、ウラロジのことを思い出したんです。変わったサイトがあったなあって。
あまり知られていないことですが、思いついたことをそのまま本にしたっていい
──ウラロジ仙台って、YouTubeチャンネルもあったりするけど、基本的にテキストベースのWebメディアじゃないですか。そこに応募してくださったのはもともとZINEを制作されてたって部分も大きいかと思うのですが、なぜZINEをつくってみようということになったんでしょうか。
委員長:まず、自分の考えを文章にまとめて記録に残しておきたいなというのがあって。それだけなら個人的な日記にまとめるだけでもいいんですが、やっぱり締め切りとか、何かしらの決まった形式がないと文章を書くのが難しいなと思ったんです。ZINEならたとえばZINEフェスのようなイベントもあって、出ることを決めれば自ずと締め切りができますし。
──私なんてこの世で一番締め切りがつらいのに。
委員長:それと、仙台のにYIN-YANG BOOKSという本屋さんがあって、すごく好きなんですけど。そこで色々なZINEを取り扱ってるんです。本当に……取り扱ってる内容も様々で、ああ、思いついたことをそのまま本にしてもいいんだ、と思えた。

▲YIN-YANG BOOKS (仙台市青葉区二日町4−1 北斗ビル 2F/撮影・恐山R)
──自主出版だからこそですよね。本当に好きなことだけを切り取って冊子にしていい。
委員長:YIN-YANG BOOKSで扱ってる本はここにしかないようなセレクションで好きなんです。こういう感じの世界があるんだ、自分も表現としてとりあえず出してみてもいいのかも、と思わせてくれる。たとえば映画の話をするとして、何も評論の形にしなくてもいいんじゃないかと。批評せずにただ思ったことを文章にしてみてもいい。こういう正統派ではない、表通りじゃなくすすんで裏路地を歩くようなスタンスを選ぶところがまさにウラロジ仙台にも合うかなという気はしますね。
ひとりではできないこと:謝罪会見
──きれいにまとめてくれた。ではこの流れで、今後ウラロジでしてみたいこと・挑戦してみたいことについても教えてください。
委員長:そうですね……これまで色々なことに手を出してはきたんですが、基本的に個人でやることが多かったんです。せっかく編集部メンバーの皆さんがいるので、複数人でやることにも挑戦してみたいなと思っています。あとは……好きなものとか趣味とか本当に多くて、扱いたい話題も絞りきれないかも。
──MCバトルに出てZINEもつくって落語見るために県外にも足を伸ばしてて新作のゲームもしっかりプレイしてて、私と同じ長さの一日を過ごしているとはとても思えないです。猫子さんの記事を見てくださったってことはファッションもお好きなんですか?古着屋さんにもよく行かれるんですよね。
委員長:はい、結構好きですよ。基本的にはクラシックな、トラッドなテイストが好きで……最近は和服も着てます。
──和服!?え、着付けもご自分で……?
委員長:はい(笑)。古着屋さんにもリサイクル着物を見に行ったり。着物ってハードルが高いように思うんですけど、実際お店の方とかに話を聞くと細かい着付けのマナーやルールは気にしなくてもいいからとにかく着てほしいっておっしゃる方が多くて。それなら、と思って実際に着てます。
──すごすぎる。前に雑談チャンネルで出たRTA in Japanの話もしたかったのに情報量が多すぎて全然差し込めない、RTAの話題を。
委員長:そういえばペンネームの由来も話してないですね。他の方のトリセツでは質問されてるようでしたけど。
──そうだ!!忘れてた、なんでウには何の委員会もないのに委員長なのかも聞こうと思ってたのにもう時間が、ちょっとあの、ええと……。
委員長:いいですよ、仕切り直しで囲み取材をしていただいても。
──えっ。
委員長:趣味が多すぎて取材がまとまりきらなくてすみませんでしたと、謝罪会見を……Sさんは司会で。
──私もそっち側なんだ。
委員長:自分、レスラーの覆面をかぶっていきますよ。プロレスも好きなんで。
──うわーーん、まだ新情報が出てくる!
果たして本当に謝罪会見は行われるのか、委員長さんの無軌道な「好き」の全体を聞き出すことは可能なのか……委員長さんの活動も含めて、今後のウラロジ仙台にご期待ください。
委員長:一番好きなバンドのPOLYSICSの話をしていない!ということにもいま気づきましたね。
──嘘でしょ!?
インタビュイー:委員長
取材・執筆:S
編集とありとあらゆる意味での手厚いサポート:恐山R





