【B級映画】クセのある映画おすすめ9選 ウラロジ仙台編集部が選ぶ名作集!

トリセツ

トリセツ第2期、スタート

読者の皆様、こんにちは。編集Sです。

これまでウラロジ仙台では、「トリセツ」と題して、編集部メンバーの人となりを紹介するインタビュー記事をアップしてきました。
我々編集部にも親しみと関心を持っていただくきっかけになればと始めたこのコーナー。メンバー全員一周しちゃったし、もう畳んでもいいかな……自分の締切減るし……とも思いましたが、これからはもう少し狭く深く、それぞれの好きなものを掘り下げていく連載をスタートすることになりました。

初回のテーマは……B級映画!

今回はB級映画というテーマで、編集部メンバーの好きなタイトルを各々持ち寄ってもらいました。なぜかというと私と編集長がB級映画を好きだから。

B級…映画…?(ニュアンスを心で理解できていない顔)
B級映画とは
本来は、大作映画(いわゆる普通のすごい映画)と二本立てで興行するためにつくられた低予算かつ小規模な映画のことを指す言葉。現代ではかなり定義が曖昧になってきていますが、低予算感や映像としてのチープさ、役者さんの演技レベル、ストーリーのしょうもなさ……などなど、あらゆる点で質が低め(でもそこがいい)のタイトルがB級、もしくはC級、D級……などと呼ばれることが多いです。
S
大丈夫!B級映画の基準がよくわからない場合は普通に好きな映画の話聞かせてください!
※作品を視聴できる配信サービスを併せてご紹介していますが、掲載時(2023年4月)の情報です。今後変更等あるかと思いますのでその点ご了承ください。

ザ・ベビーシッターシリーズ(恐山R推薦)

編集長・恐山R担当記事一覧

年齢制限:R16+
視聴サービス:Netflix
※こちらは続編である『ザ・ベビーシッター キラークイーン』の予告編です。

推薦者コメント:一言で言うと、カルト宗教風味のホームアローン。コメディホラー。同じくカルト宗教をモチーフにした『ミッドサマー』や『ヘレディタリー/継承』、『ウィッカーマン』などを視聴した後に見ると、あまりの温度差に風邪を引くこと間違いなし。『ザ・ベビーシッター』そのものは割とホラー成分が高めなんですが、続編の『ザ・ベビーシッター キラークイーン』に関しては謎の回想シーンが挟まれる、メタ表現の多用などマックG監督の遊び心全開で、もうあまりのクソさに抱腹絶倒です。というのもマックG氏、『チャーリーズ・エンジェル』の監督でもあるので、あのふざけたノリがそのまま『ザ・ベビーシッター キラークイーン』に反映されているような感じです。

S
主人公・コールのベビーシッターが率いる悪魔崇拝カルト(???)に絡まれてサバイバルゲームに巻き込まれる映画、っていうあらすじだけですでに最高。ブロンドヘアのセクシーな女の子が複数出てくるのはかなりB級ホラー感があってそれもうれしい。ブロンドではないけどミーガン・フォックスの『ジェニファーズ・ボディ』とか芋づる式に観たくなる感じ。ていうか『チャーリーズ・エンジェル』は私のかなり好きな映画シリーズのひとつなんですけど(ルーシー・リューがマジで好き)、もしかして世間ではあれもB級扱い……ってこと……?

デッド寿司(恐山R推薦)

視聴サービス:Prime Video、U-NEXT、FODプレミアム

推薦者コメント:寿司がゾンビみたいに襲ってくるという前代未聞のヤバ・邦画です。寿司職人の修行がとんでもないこと、寿司がバイオウイルスによって凶暴化すること……。これ、いきなり海外の方に観せたらトラウマになってしまうかもしれません。正直これ以上説明しようがないのですが、ぶっ飛んだ設定とアクション&コメディが好きな人は楽しめるはずです!

S
予告編を数秒再生するだけでわかる映像の安っぽさが本当に最高。これこれこれだよこういうの。こういうののために観てるんだよ映画を……『キラーコンドーム』を思わせるお寿司の造形が素晴らしいです。主演の武田梨奈さんがスタントなしのカンフーアクションをしているという謎の真摯さもいい。ハチャメチャが押し寄せてくるタイプのパニック映画入門編に良さそう。

ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE(艶姫猫子推薦)

艶姫猫子担当記事一覧

年齢制限:PG12
視聴サービス:U-NEXT、d-TV

推薦者コメント:映画なのに主人公の川島省吾役として出演する劇団ひとりは何も聞かされていない、しかも全編アドリブ!更にモニタリング中の音声も本編に入っているという斬新さ。劇団ひとりの内面のナルシストさから出る名言も良いが、即興でその場に合わせられる演技力もすごい!キスを我慢するって簡単なようで難しい。

S
キス我慢選手権っていうバラエティの企画を映画の規模感でやっちゃうのすごいな。とてもじゃないけどB級なんて言えない……2も出てるし、主題歌もサンボマスターだし……このしょうもない企画に著名な役者の方々が出演してるっていう、その絵面だけで面白いですね。そして猫子さんってこういうしょうもないやつ本当に好きですよねという意味でもじわじわきます。

夕方のおともだち(花推薦)

花担当記事一覧

年齢制限:R18
※予告でも結構ちゃんとSMプレイが映るので、苦手な方は注意です!
視聴サービス:Prime Video、U-NEXT

推薦者コメント:「B級映画」のニュアンスを頭で理解してるけど心で理解出来てないマンなので、今回はチネラヴィータとか仙台フォーラムとかの小規模サイズの映画館で観た映画の中からチョイスしました。山本直樹先生の同タイトルの漫画の実写映画です。原作でも地方特有の閉塞感が描かれてますが、実写によってよりその空気が伝わってくるのがなんかいいんですよね。SMが題材で結構グロテスクだったりエロティックな描写もありますが、興奮を駆り立たせることを目的とせず、癒しと切なさみたいなものを感じさせてくれる作品です。主演の村上淳さんの演技の良さは勿論ですが、相手役の菜葉菜さんの演技の再現度の高さにも注目して下さい。

S
漫画原作の映画は花さんらしい素敵なチョイスなんだけど、B級というには失礼な明らかに完成度高い映画だな……ロケ地は福島のいわきとのことで、地方感あふれる寂れた感じと閉塞感を全身で浴びることができます。地方出身者にはめちゃくちゃ刺さりそう。SMって痛くて怖いイメージも強いけど、良好な関係性の構築ができれば癒しや救いになり得るんだな、という学び。

ブレードランナー(のちゃ推薦)

のちゃ担当記事一覧

視聴サービス:Prime Video、U-NEXT、Hulu

推薦者コメント:B級映画とは言えないですが、大好きな作品なので紹介させていただきたく!原作は『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』という小説。製作陣の中でエンディングが決まらず初期段階からエンディングが4つあった。その後ファイナルカットとして5つ目のエンディングができてます。2019年をイメージして作られていて1982年台の未来想像図としても考えられる。作中には日本語も出てくるので洋画が少し苦手な方でも親しみやすい作品だと思う。アンドロイドと人間の関係性の変化もすごく面白い。その続編として作られ2017年に公開された『ブレードランナー2049』も別作品のようで繋がっているのが面白いのでおすすめです。こちらは「もしかして自分は人間じゃなくてアンドロイドなのでは…?」と考えさせられるような場面も多いです。

S
好きな映画の話してくださいとは言ったけど、ほんとに普通にめちゃくちゃちゃんとした映画出てきちゃった。SF映画の金字塔すぎてもう言うことがないですね。アンドロイドと人間のそういうの嫌いなオタクいないもん……アンドロイドじゃなくてAIだけど、私は『her/世界でひとりの彼女』を観て心が壊れました。皆さんも観て心を壊してきてください。

國民の創生(ShimMyan推薦)

ShimMyan担当記事一覧

視聴サービス:VideoMarket

推薦者コメント:言わずと知れた、アメリカ映画史に残る金字塔なんですが、今は人種的な理由で見られないグリフィスの映画ですね。今の映画の技術がふんだんに使われていて、完成度が高いのです。あらすじはまぁ、文化性が高いかつ大変発火性の高いもので、アメリカは保守派のバイブル的な……。

S
好きなB級映画教えてくださいって聞いて『國民の創生』出てくることあるのかよ。知らない人の方が絶対多いと思うので真面目に解説すると『國民の創生』は1915年に公開されたアメリカのサイレント映画で、アメリカ映画初の長編作品です。むちゃくちゃ製作費がかかっていて、技術的にも規模的にも当時の映画制作のノリを大きく変えたエポックメイキングな超大作。B級のびの字もない。とはいえ人種差別的な内容が批判もされていて、現代の価値観に慣れてる我々からするとしっくりこない部分も多いかと思いますが、映画史的には高く評価されています。

……なんか全然B級じゃなくない?

編集部メンバーが教えてくれた映画を紹介してきましたが……あれ?なんかおかしいな。よく見たらどれもこれも全然B級じゃない。

編集長はしっかりB級映画をピックアップしてくれてますが、他の皆さんが挙げてくれたのはなんか全然、ちゃんとしてる。全部良い映画なのはもちろんだけど……なんか……あれ……

ちょっと変わった趣味を持ってる人が多いはずの弊編集部でもこんな感じってことは、もしかしてB級映画観てる人ってマジで少ないんでしょうか。なんかめちゃくちゃ寂しくなってきた。そもそもこのままじゃB級映画成分が少なすぎる……というわけで僭越ながら、最後に私の好きな映画をいくつかご紹介させていただきたいと思います。

シャーク・ショック

視聴サービス:Rakuten TV(レンタル)

S
色々観ているサメ映画の中でも特に好きなやつです。舞台は海ではなく山なのですが、土地のオーナーが住人を無理矢理立ち退かせるため近所の川の堤防を爆破して破壊、人為的に大洪水を起こしたのがきっかけで主人公たちが住むエリアは水没し、サメが活躍できる環境が整います。このサメは色々あって電気ショックが使えるので(???)感電にも注意しなければいけないのが今作のポイント。水中にいるサメと電気の組み合わせは実際かなりシナジーがあり、対応できず感電していく人々の姿が見所です。マカレナのシーンは本当に最高。すごい。大好き。サメのCGはサメ映画にしてはまだ頑張っている方だと思う。

カンフー・ヨガ

視聴サービス:U-NEXT、Abema、Hulu

S
カンフー映画って結構基本の話の流れが決まってるんですが、『カンフー・ヨガ』はその基本の流れは押さえつついろんなテンプレを飛び越えていく素晴らしいジャッキー映画です。カンフーとヨガが出会う話なのでもちろんインドだし、インドで映画ということはもちろん踊る、タイトルとジャッキー・チェンから期待したことは大体全部見れると思って間違いない、安心感のある作品。もちろんスタイル抜群の美女がヒロインなのでそこも安心してください。

ニンジャ★チアリーダー

視聴サービス:Prime Video(レンタル)

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スタイル抜群の女子高生3人が、昼はハイスクールのアイドルチアリーダーとして、夜はストリッパーとしてバイトをしつつニンジャとして悪を成敗していくセクシーアクションムービー。私がB級映画の面白さに目覚めた思い出のタイトルです。上記の予告動画では「『チャーリーズ・エンジェル』よりもセクシー、『キル・ビル』よりもアクション」などと謳われていますが感じ方には個人差がありますのでご了承ください。モニカ、ちょっと森星に似てるよね。

次回は私利私欲に走らずもっと良いテーマ考えます

B級映画をテーマにしたわりにはそんなにB級な話が出なかったトリセツ第2期初回、いかがでしたか?
個人的には、B級映画という狭い括りではなくて、もっと広い範囲で「好きな映画」について話してもらえばよかったなと反省しました。人類、もっとB級映画を観てるもんだと思い込んでいた。『スノーシャーク/悪魔のフカヒレ』みたいに、ホームビデオみたいなカメラワークと微笑ましい合成のサメとカップルから死んでいくテンプレの流れを楽しめる映画をいっぱい紹介してもらえると思ってた……。

※『スノーシャーク/悪魔のフカヒレ』はPrime Videoで観れます。

今回の反省点をふまえまして、次回以降はもうちょっと広範かつメンバーが本領発揮できそうなテーマを考えていきます。この度は私利私欲に走ってしまい大変申し訳ありませんでした。

リクエストがありましたらウラロジ仙台TwitterのDMまで

実はウラロジ仙台、もともと「同じようなものが好きな人どうし、つながっていけたらいいな」みたいなことを考えて記事制作やらイベント開催やらに取り組んできました。
先日行われたメディフェスせんだい2023で公開収録されたラジオでも、その辺の話をちょこっとしています。編集長のトリセツでも話してたけど、最終的には「村」をつくっていきたいんですよね。

というわけで!トリセツ第2期では、ウラロジ仙台編集部が好きなもの、面白いと思うものを読者の皆様にシェアしていきたいと思います。もし誰かのセンスに共感できたら、他の記事も見てみてね。

編集部メンバーに聞いてみたいこと、語ってほしいテーマなどございましたら、ウラロジ仙台のTwitterアカウントからぜひDMでご連絡ください。「トリセツのテーマについて」と冒頭に記載いただけると大変うれしいです!

 

制作協力:編集部のみんな
執筆・編集:S