【コラム】JR仙台駅前・喫茶チェーン店のエリア別過ごし方&特徴と分布【勉強?ノマドワーク?】

場所

ウラロジ仙台編集部のShimMyanです!もう少しで編集部に加入して一年経ちます。……だからと言って何もないのですが、近々加入して一年の所感でも個人のTwitterでツイートしようかなと思ってます。

さてさて、実のところ、私の日常の多くは何で占められているのかというと、「勉強」「仕事」「読書」「酒(?)」これら全てですが、前者三つの共通点は大概私は仙台駅前の「喫茶店」でやってる場合が多いと言うところです!今回はJR仙台駅前西口から一番町、勾当台公園方面までのチェーン喫茶店の勢力図や、エリアごとの違いを考察してみようと思います。

JR仙台駅前周辺エリアやアーケード街、どこをまわってもカフェ・喫茶店があるんやけど、特に、ワイが知りたいのは各エリアで見られる「喫茶店での過ごし方」と各喫茶チェーン店の特徴が実際どう結びついているのかってこと!!!

「喫茶店」ってそもそも?

まず、「喫茶店」の定義ってなんでしょうか。コトバンクによると、以下。

コーヒー、紅茶、酒類以外の各種飲料、ケーキ、果物のほかサンドイッチなど軽食を供する店。

引用:https://kotobank.jp/word/%E5%96%AB%E8%8C%B6%E5%BA%97-474725
(2023年4月19日時点)

最近では「ファミレス的な喫茶店」や「喫茶店的なファミレス」などもあったりしますね。

例えば、コメダ珈琲店などをあげることができますね。サンドイッチのような喫茶店らしい軽食メニューも食べられますが、店内はファミレスくらい空間が広かったりしますね。

▲コメダ珈琲店 仙台マーブルロード店(仙台市青葉区一番町3-2-24マーブルロードH&Hビル2階)

また、「カフェ」と言う言葉もありますね。こちらも実際のところ、多くの辞書などでは「喫茶店」とかなり似た意味を有しています。私自身は喫茶店は「レトロ」な、カフェは「いまどき」な語感がある気がしてます。

ウラロジ仙台でも、たびたび喫茶店やカフェの話題を特集しています。こちらの記事では、両者の営業法上の違いも説明されてますね。

カフェと喫茶店では営業許可の違いがあり、喫茶店営業許可ではアルコールの提供や単純な加熱以外の調理全般ができません。カフェでは飲食営業許可が必要となります。飲食営業許可を取得して「喫茶店」を名乗るところもあれば、その逆もあるそうです。

とはいえ、JR仙台駅前周辺の「喫茶店/カフェ」全てを網羅して論ずることはできないので、今回の記事では、いわゆる「喫茶チェーン店」に焦点を当てます。ここでは「ドトールコーヒーショップ」などの概ね全国展開されているチェーン型の喫茶店のことを指すとします。

ShimMyan
それではまず、JR仙台駅西口から一番町周辺にはそれぞれ、どんなお店が出店してるんや?ということで、そこから整理してみました!

仙台駅前の「喫茶チェーン店」の基本情報

まず、基本的な情報を整理していきます。

JR仙台駅周辺から一番町周辺まで各店舗の情報を集めて、表にすると以下の通りです(2023年3月時点)。

ドトールコーヒーショップ カフェ・ベローチェ スターバックス コーヒー タリーズ・コーヒー サンマルク・カフェ プロント マクドナルド
出店数 9(系列店含む) 6(系列店含む) 6 4 2 1 3(+1)
価格帯 300円
(ブレンドコーヒーM)
280円
(ブレンドコーヒーR)
390円
(ホットコーヒーTall)
400円
(カフェアメリカーノTall)
300円
(ブレンドコーヒーM)
352円
(ホットコーヒーR)
180(プレミアムローストコーヒーR)
立地 仙台駅前から勾当台公園〜一番町方面に伸びた一帯 駅東口及び一番町から勾当台公園方面に伸びた一帯 仙台駅前4店舗に、アーケード川に2店舗 仙台駅前近くに全店舗がある アーケード内に2店舗 青葉通りに1店舗 主にアーケード内、青葉通り及び勾当台公園側に各1店舗(広瀬通にも1店舗)
主な客層(推測) サラリーマンから学生など幅広く サラリーマンから学生など幅広く 10-20代中心で、学生や若い社会人 20代後半以降の社会人や主婦層などだが、年齢層は高め 幅広いが、20代後半の社会人などもいるが、食事目的などもある。 20代後半以降の社会人や主婦層など サラリーマンから学生など幅広く

※親会社が一緒の会社は全て同じカテゴリーに括っています。主な客層自体は私自身の推測ですが、主にマーケティングターゲットとして考えて勝手に記載しました。

ShimMyan
出店数はJR仙台駅周辺から一番町エリア周辺の店舗を数え、価格帯は各店舗のホットコーヒーのサイズが真ん中の物の値段を採用しています。なので、名称が一部異なっています。

らむね
こう見るとJR仙台駅周辺から一番町エリア周辺にかけて、リーズナブルな大衆店(ドトールコーヒーショップやカフェ・ベローチェ)が多く点在しているようですね。私自身は、カフェ・ベローチェが低価格で利用しやすいですね。特に、打ち合わせや取材の合間に立ち寄るのに利用します!他にも、青葉通のプロントは夕方以降お酒も飲めるので、カフェタイムは作業、バータイムには1人飲みで使うこともありますね。 

▲PRONTO(プロント)仙台青葉通り店/宮城県仙台市青葉区中央2丁目3-6

ShimMyan
「キッサカバ」か。夜はまた違った雰囲気で、おしゃれやな……。

まずは各喫茶店チェーンの特徴を考察するンゴ!

次に細かく見ていきます。

冒頭で提起した問いかけは各エリアで見られる「過ごし方」と喫茶チェーン店の特徴が実際どう結びついているのかというものでした。仙台の駅前からの回遊を軸に各種店舗での過ごし方や使い方にどう結びついているのかみていきましょう!!まず各社の特色を一旦整理します。

ドトールコーヒーショップ、カフェ・ベローチェ

一番出店数が多いのが「ドトールコーヒーショップ(以下・ドトール)」、そして次に多いのが「カフェ・ベローチェ(以下・ベローチェ)」です。駅前のみならず、EBeanS、そしてアーケードの内部など、仙台の主要な商業地に出店しています。コーヒーの価格帯はどちらもかなりリーズナブルな方で、また仙台の店舗はどこも席数があり、学生から社会人まで駅前を移動する様々な人が利用する場となっています。


▲ドトールコーヒーショップ 仙台クリスロード店/仙台市青葉区中央2丁目5-6

また、特定の層に合致したターゲット化というよりは、場としてのプラットフォーム化が顕著で、スターバックスコーヒーの持つ記号的な側面(スターバックスコーヒーでの消費経験こそに価値があり、そこで行う機能的な側面、例えば勉強などは副次的な価値であるということ)と比較して、「待つ」、「おしゃべりする」場という感じです。ベローチェは特に「いつでも通える手軽さでおいしさとおもてなしを提供しています」と企業側が示していることもあり、まさに場所と価格帯などがそれを体現しているようです。

スターバックス コーヒー

スターバックス コーヒー(以下・スタバ)は言うまでもなく外資系飲料チェーンです。上記二つとは対照的にスタバは全て直営店です。常に季節の飲み物を販促しており、利用者としてのペルソナも若者や若年の社会人といった感じなのはいうまでもありません。出店場所もそれに合致し、若者や旅行者の回遊の多い、JR仙台駅前や仙台PARCOなどの商業施設、国分町などにも出店しています。スタバ自体は、そこでの消費経験がかなりブランディングされており、購買力単価の低い若年層にも決して安いとはいえない飲み物を消費させていると言う点で大変優れた戦略をとっています。


▲スターバックスコーヒー 仙台クリスロード店/仙台市青葉区中央2丁目5-3 第二やまふくビル

タリーズコーヒー、サンマルクカフェ、プロント

まずタリーズコーヒー(以下・タリーズ)については、出展地域がやはり駅前中心で、他には名掛丁アーケードに一店舗あります。ホットコーヒーいっぱいあたりの値段帯は一番高いです。故に集客の対象も、購買力のある社会人や駅前に遊びに来たカップルおよび高齢の方と推測できますが、実際日本で二番目に成功している外資系飲料チェーンがタリーズです。

私自身はあまりタリーズに若者が足を運んでいるイメージが無いのですが、実際は売り上げで業界4位(1位はスタバ、2位はドトール、3位はコメダ珈琲)です。

サンマルクカフェは、アーケード街に2店舗あり、焼きたてパン(チョコクロなど)が有名なので食事に行く人もいると思います(ShimMyanはサンマルクカフェのパスタランチが大好きです)。

企業理念も『私たちは食事を売るのではなく、「最高のひととき」を売る会社です』『「美味しかった」ではなく、「楽しかった」と言われるお店を目指し日々励んでおります』とあり、直営店経営のもと直近の決算説明資料(2023年3月)でもベーカリーカフェの機能強化が挙げられています。

プロントは青葉通の読売新聞ビルの中にあります。リニューアルが何回か行われていますね。私自身は意外とプロントを一番使います。

コンセントもあり、よくアニメとのタイアップなどもしています。Creepy Nutsともコラボしてましたね。夜はバー・飲み屋に変わる部分などは他の店舗とは一線をかくしています。以前、らむねさんとエンカしたな……(実は、プロントはサントリーグループなんだよ。みんな知ってた?)

マクドナルド(McCafe by Barista)

マクドナルド(以下、「マクド」)は言わずもがな、外資系のチェーン!!!喫茶店としてもご飯を食べるところとしても、様々な空間としての利用が可能な店舗です。アーケード内にある下にすき家が位置するマクドは読者の皆さんもよく知っていると思います。また、一番町の青葉通りの店舗はよく市内の高校生や大学生が課題をやっている場所でもある。

らむね
一昔前はマクドナルドといえばハンバーガーやポテト!むしゃむしゃ!ワイワイガヤガヤ!って感じだったけど、カフェユースとしてのMcCafe by Baristaが始まってからはちょっとイメージ変わったよね。

仙台中心部・各エリアと喫茶チェーンの結びつき

ShimMyan
そして各出店状況を可視化してみると、以下になります。真ん中の線がアーケード内の動線です。これをみると一目瞭然ですが、アーケード街沿いにほぼ全ての店舗が位置しています。この動線が大型チェーンにとって集客の鍵となるということでしょう。

さらに細かく見ていきますね。JR仙台駅前の方には、ドトールスタバタリーズの店舗数が多い。この辺りは旅行者やJR仙台駅前周辺(エスパル仙台、PARCOなど)へ買い物に来た方をターゲットに出店されているのだと思われます。

そして、JR仙台駅前のアーケード街に着目してみるとマーブルロードおおまちの仙台藤崎百貨店前までドトールスタバサンマルクベローチェなど様々な人(旅行者から、オフィスワーカー、学生、遊びに来た世代など)を取り込む層別の出店がなされています。

アーケード街から一本外れた青葉通側にはプロント、南町通・広瀬通側にはベローチェが出店され、後者は特にビジネス客の集客が多いと推察できます。特に青葉通はオフィスビルも多いため、喫茶チェーンには打ち合わせ中と思しきオフィスワーカーの姿も多く見られます。

更なる特色としては、アーケードのT字路(仙台藤崎百貨店付近)は右に行くと県庁・国分町方面、左に行くとサンモール一番町方面となりますが、このふたつで明らかに出店している店舗が異なっていることです。

サンモール一番町周辺にはマクドナルドベローチェドトールなど大衆店かつ機能主義的な要素が強い店が多く(つまり、近辺のサラリーマンや学生など特定の目的を持った人が利用するなど回遊の担い手とは考えづらい層)、県庁・国分町周辺には、スタバ(2店舗ある)、THE SMOKIST COFFEE(ベローチェと同系列だが異なる記号化されたブランド)、サンマルクなど比較的JR仙台駅前エリアの回遊の担い手であり、購買力のある20~30代などを取り込みやすい店舗が並んでいます。

サードプレイスとしての喫茶・カフェ

ここまで喫茶チェーンの特徴と、各エリアとの結びつきについて整理してきましたが、過ごし方や役割、機能についても触れていきます。

伝統的な純喫茶を始め、喫茶・カフェは「サードプレイス」の役割があるとされます。本記事で何度も登場しているスタバも「自宅でも職場でもない、第3のリラックスできる場所」としてサードプレイスを提唱していました。一部引用:スターバックスコーヒージャパン より

アメリカの社会学者のオルデンバーグが述べているサードプレイス論によると、サードプレイスは「家庭と仕事の領域を超えた個々人の、定期的で自発的でインフォーマルな、お楽しみの集いのために場を提供する、さまざまな公共の場所の総称」とあります。

サンモール一番町の大衆店自体はこの側面を薄めつつ、より機能を提供する空間になっているといえます。一方で、県庁・国分町周辺の店舗はそこにいくこと自体に記号的価値、誇示的消費の要素(アメリカの社会学者S・ヴェブレンが提唱している概念)があり、現代ではSNS上でのコミュニケーションツールとしての場所となっています。言い換えると、オフラインがオンラインのための手段になっていると言えます。

らむね
前者は「学校や職場じゃないけど、作業に向き合える」機能面に、後者は「これ食べた、飲んだ」「スタバに行った」という体験そのものに価値を見出してるってことかね。

全体としては、比較的回遊の担い手に対するターゲットに対してはアーケード街および県庁・国分町周辺の店舗が出店していて、それ以外の近辺の住民や平日の機能主義的な顧客を包摂するのがサンモール一番町周辺の店舗と言えると思います。仙台のチェーン空間はある種回遊をベンチマークとして、それに従う要素として出店が行われていると言うことがより明白になった感があります。

らむね
……つまりどういうことだってばよ?

ShimMyan
アーケード街や県庁・国分町周辺は観光客やショッピングなどであちこちを回遊するような層、サンモール一番町周辺は地元の人や平日に仕事や勉強で利用する層をそれぞれ意識するなど、エリアごとに戦略的な分野展開が見られるということです!

JR仙台駅前周辺で勉強・仕事に向いてる場所をこっそり教えるぞぉ

最後にチェーンの喫茶店・カフェへ行き尽くしているShimMyanが、仙台に越してきたばかりの人や県外からの旅行者に向けていくつかの店舗の実際の雰囲気をお伝えしよう!最後に一番勉強および仕事に向いている店舗をこっそり教えるからメモれよなぁ!!!!

アーケード街の各店舗

平日日中は各社比較的空いてて(特に大衆店はそんなに日中でもうるさくなくて勉強なら勧めます)、スタバでもあんまり並ばず入れますよ。

ただ、クリスロード商店街のマクドはゆるーく混んでいる時が多いです。また、若者の出入りが多くて賑やかなため、勉強・仕事には向いてません。

▲マクドナルド 仙台中央通り店/仙台市青葉区中央2丁目2-29三好堂ビル(賑やかな店舗では、友達や家族同士で楽しく食事を楽しむのにはピッタリ!)

土日は各店舗どこもまぁまぁ混んでいて、賑やかなので仕事・勉強に不向きです。大衆店でも時間制限があったりします。ただ、意外に土日でも青葉通りのプロントは比較的座れて、コンセントを使用できるカウンター席もあるので、土日にアーケード街近くで勉強するならプロントが最もいいです。

JR仙台駅前構内〜ペデストリアンデッキ周辺

平日はそんなに混みませんが、土日は席の時間制限を設けた店舗も多く、かなり混みます。こちらも比較的賑やかで、勉強・仕事には不向きかなぁ……と個人的には感じています。

一番町〜定禅寺通周辺

マクドは平日でも程よい人の量です。よく学生が勉強しています。少し賑やかなのが気にならなければ勉強できますが、オンラインミーティングやオンライン講義の聴講などには不向きです。

仙台フォーラスのスタバはかなり多くの方が勉強および仕事で滞在している傾向があります。よって、平日ならまだしも、土日はまず混んでいますので、座れたらラッキーくらいでしょう。

サンモール一番町周辺

サンモール一番町周辺は曜日問わず私自身、勉強・仕事がしやすいと感じているエリアです。

まず平日は極端に混んでることはほとんどないですし、客層もビジネスマンなどが多く、店内が落ち着いた雰囲気なことが多いです。また、土日もほとんど混まないので、時間制限などもなく仕事・勉強に励むことができます(もちろん、長めに滞在するときはちゃんと追加メニュー頼んでね)。

ただ、このエリアのマクドは平日及び土日の夜はまぁまぁ混んでいることが多く、昼間であれば学生がオンライン講義などを見ていることが多いように思います。ちょっとした勉強にはいいけど、仕事に集中したい時には向いていないかもしれません。

▲マクドナルド 仙台青葉通り店/仙台市青葉区一番町2丁目5-1

勉強・仕事するのにおすすめの店舗は……

以上より、JR仙台駅前付近やクリスロード商店街の店舗は食事やおしゃべりに、サンモール一番町方面に行くほど勉強や仕事に向いている店舗が多く出店されているという傾向が掴めましたね。

中でも私の最もおすすめの喫茶チェーン店は「カフェ・ベローチェ 仙台一番町一丁目店」です。そしてこの原稿もベローチェ仙台一番町一丁目店で書いています(笑)。

【カフェ・ベローチェ 仙台一番町一丁目店】
所在地/宮城県仙台市青葉区一番町1丁目1-31 山口ビル 1F
TEL/022-214-1055
営業時間/7:00〜22:00、日祝7:00〜21:00

読者の皆様もよき喫茶店・カフェライフを……!!!

執筆:ShimMyan
編集:S、恐山R