【前篇】仙台駅前を多様性溢れるランウェイにしたい!<青葉通仙台駅前エリア社会実験 学生団体「Pompadour」>

 

ゆるグダWebメディアのウラロジ仙台が、学生団体を追う!?

ウラロジ仙台編集部のShimMyanです。

まちづくりをテーマとして「陰キャがゼロからから考えるまちづくり」シリーズ(以下・ゼロまち)を定期的にお届けしている「ウラロジ仙台」編集部ですが、今回は2022年9月23日(金)から18日間開催の青葉通仙台駅前エリア社会実験「MOVEMOVE」でとある企画を行おうとしている東北大学学生団体「Pompadour」さんに、私ShimMyanが取材させていただきました(*全くもって(社会人)東北大院生という唯一のフックで私が人選されました)。

学生団体「Pompadour」ってどんな団体???

そもそも、学生団体「Pompadour」ってどんな団体なんでしょうか。彼らのHPを見てみましょう。

自ら考え、実装する。学生団体Pompadour

大学という環境は、果てしなく自由。その自由さゆえに、自分から何か動き出さなければ何も思うようにはいきません。

自分が考えたこと、感じたこと、望んだこと。それが何か形になるかは、すべてあなたが動くかどうかにかかっています。

Pompadourは学生のやりたいことを起点として社会に変革をもたらすことを目指す学生団体です。

現状の自分や社会に何か不満がある、何かを変えたいと思っている、そんな学生は誰でも大歓迎!!

自ら考え、実装する。

大学生の自走力を鍛える。学生団体Pompadourです。

「変革」、「自走力」、「実装」……

うーん、何やらかっこいいですが、私たちのような陰キャには片腹が痛くなるような表現や語彙に溢れてますね……斜に構えて見てしまう性のせいなのか……。

▲Pompadourさんの普段のmeetingの様子です。ここにスタバのベンティーあったらいろんな意味でビンゴですがな(白目)

彼らについて抽象的にはわかりました。彼らのHPを見ると、具体的には学生主体の発案で学校組織、企業、公官庁などの様々な集団と一緒に企画を行い、社会に「インパクト」を与える組織とのこと。「はえ〜。ほげ〜。(小並感)」とは、思うけども。

なんか、陰キャの私たちとの間に共通点みつからなさそうで白目ですがな……。

ShimMyan
なんかシュッとしててかっこいい!!こんなコンクリ打ちっぱなしの部屋ででっかいモニター見ながら打ち合わせ……やっぱり住む世界が違う気がしてまう……。

らむね
ハキハキしてて、自分の学生時代と違いすぎるなぁ!学生の頃の私は自分が一番になりたい!って感じだったけど、Pompadourさんは「社会が、地域がこうなって欲しい」目線なんだね。……ウラロジで取り上げていいのか?グダグダなゆるゆるメディアだけど、就活とかで彼らの不利になったりしないかね……。 

実際にウラロジ仙台がこれまでに関わってきた大学生といえば、本物のタコで凧揚げするとかいうアホな大人たちのアホな挑戦に本気で付き合ってくれるような、同じベクトルでふざけてくれる優しい子たちばかり。

S
Pompadourさんに「タコで凧揚げしたい」とか言ったら「それ楽しいんですか?」「どんな目的があってやるんですか?」みたいなマジのレスがきそう。
らむね
一瞬で色々わからせられそう……。
ShimMyan
まあまあ、とりあえずは御本人たちに話を聞いてきます!!!おっこらせ 

中の人ってどんな人????


ShimMyan:今回はPompadourの若いお三方にお話を聞かせてもらいます。取材を受けてくださってありがとうございます!まず自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか?また、Pompadourに加入したきっかけも教えてもらっていいですか?

*各メンバー別日に取材を行ってますが、並列に紹介していきます。

▲東北大学農学部1年生の鹿股とほこ(かのまた・とおこ)さん。仙台一高出身!ワイの兄貴と一緒ですがな…..。

▲東北大学工学部1年生の磯野愛斗(いその・まなと)さん。立海(テニプリ)の柳生ばりの落ち着き具合!

▲東北大学教育学部1年生の千葉美侑(ちば・みう)さん。メガネが大変charming!


鹿股さん:東北大学1年生で農学部に所属している鹿股とほこ(かのまた・とおこ)です。大学では目立った活動は今のところしていないのですが、高校時代に東北大学の生命科学研究科で2年ちょっと研究に参加していて、それに関しての論文が掲載されたこともあります。問題の研究だったり解決だったりに積極的に取り組み、表立って活動する事が好きなのかなと自分では思っています。大学ではPompadour含め3つのサークルに所属していますが、今はPompadourに力を入れています。

【参考】 鹿股さんの高校時代の研究については河北新報のオンラインニュースでも取り上げられたみたいです。すごすぎ。

鹿股さん:まず私は加入前からキラキラした人になりたいという目標がありましてPompadourには「キラキラした人」がたくさんいるので「朱に交われば赤くなるのでは」と思いたち、加入しました。

ShimMyan:そもそもの前提として、「キラキラした人」になりたいってのはどういうことなんですか?

鹿股さん:私の思うキラキラした人っていうのは、自分の好きなことをしている人、加えて周りの人のために何かできる人というイメージなんですけど。私、中学校まではそれなりに勉強もできる方だったんです。でも高校に入って、一番最初のテストの結果が318位。全校生徒が320人いる学校で。

ShimMyan:後ろから数えた方が早いですね。というか、四捨五入したらドベですね…。

鹿股さん:そうなんです。しかも、周りには頭のいい友達がたくさんいて…。自分は320人中318位なのに。その中で過ごした1年間でもう、自信を完全に喪失して。ゼロというか、もうマイナスというか。

でも、その環境にいたからこそ周りに素敵な人たちがたくさんいることに気づけたし、自分もそうなりたい、「キラキラした人」になりたいと思うようになりました。


磯野さん:磯野愛斗(いその・まなと)と申します。僕は1年生で、学部は工学部材料科学総合学科です。Pompadour以外では、書道部として活動しています。出身は山梨県で、実は今も山梨の実家からお話しています(※取材時ちょうどお盆休みでした)

ShimMyan:山梨県というと宮城からは結構距離がありますが、それでも東北大を進学先に選んだんですね。

磯野さん:材料系の研究に興味があったんです。物って結局すべて材料からできていますよね。どんな材料が使われているかによって、同じ物でも効率がよくなったり悪くなったりする。材料の研究って大事で面白いなと思ったんです。東北大を選んだのは、その材料系の研究に強いことが理由ですね。それと、高校時代にやっていた研究が入試に役立ったこともあります。

ShimMyan:高校生理科研究発表会で優秀賞取ってるじゃないですか。天才?

磯野さん:あはは、照れますね。ちなみに、趣味はグラフィックデザイン系です。デザインを見たり、自分でもつくったりするのが好き。具体的にはポスターデザイン、もっと言えばフォントとか、タイポグラフィー(文字デザイン及び配置や配色などの分野)が好きですね。Pompadourの説明会でデザイン班があるのを知って、自分の得意分野に合致するなと思って加入を決めました。Pompadourは大きな企画を行っている団体だったことも決め手のひとつです。たくさんの人を動かすようなイベントや企画に憧れがあったので。

ShimMyan:なるほど。Pompadourに入れば趣味のデザインや憧れが実現できそうだ、と思ったわけですね。


千葉さん:千葉美侑(ちば・みう)と言います。東北大学教育学部1年生です。出身は宮城県大崎市古川で、新幹線通学をしてます。毎朝同じ高校出身の人と行ってます。Pompadourの一員として、いろいろガヤガヤやっています。

趣味としては、ゲームが昔から好きです。音ゲーとか、指を動かす系が特に好き。アーケードだと太鼓の達人とかmaimaiとか、あの辺のタイトルをプレイしてます。あとは寝ることが大好きです。結構インドア派なので、本当に何も予定がないときはパソコンをいじったり、ゲームしたり、寝たり……最近夏休みなので、ちょうどそんな感じの日々でした。

ShimMyan:最高の夏休みですね(笑)。

千葉さん:Pompadourに加入したきっかけは……私、友達つくる能力がなくて。大学で新しい友達をつくったり、新しいコミュニティに参加するなら部活かサークルだよなと思ったんです。ただ部活は馴染みがなくて入りづらい、やっぱりサークルだってことで色々見ていたら、TwitterでPompadourの宣伝動画を見かけて。

千葉さん:その動画を見て、直感でいいなと思ったんです。それで新歓に突っ込んでいって、このサークルでなら自分も成長できるかなと思ったので参加しました。入ってみてきつかったらやめればいいかなと。


▲なんやかんや、今とっても楽しそうじゃないですか!いいですね〜


ShimMyan
あれあれ?なんか彼らも私たちと一緒でちょっと挫折していたり、ただ好きなことをしてみたかったり、ゲームが好きでインドアだったり、意外に共通点あるぞ……。

実は今回のPompadourさんの企画、千葉さんへのインタビューで言及されていた上記の動画でも紹介がある通り、元々は「アニメで青葉通をジャックしよう!」というコンセプトのものでした。つまるところ、アニメや漫画作品とのコラボイベントですね。ウラロジ編集部が潜入したMACHITO SENDAI vol.1でお会いしたPompadour永田さんも、アニメイベントの構想についてお話してくれていました。

ですが、構想段階のプレゼンで専門家の方にコテンパンにやられ、かなり大きな方向転換をすることに。後日永田さんにお話を伺ってみたところ、やはりPompadour内部でも意見が衝突することもあったのだとか。けれど今回の社会実験を通してのPompadourの目的は、コロナ禍で希薄になってしまった人々の交流を再生産し、仙台を活気づけること。その観点から、過去の知見を活かし、さらにパワーアップさせた形の『ランウェイイベント』に移行しようという決断に至ったのだそう。

らむね
企画内容の変更が必要になった背景としては、やはりアニメ・漫画に関するプロジェクト実行のハードルの高さについて、解像度が低かったこともある気がするね。ただ、そこから企画をいちからゼロに戻して、今回のランウェイイベントに切り替えたのは妙案でしたね。こういうのは、はちゃめちゃに愛せるテーマでやった方がいいっすからね。
S
Pompadourの皆さんの中にアニメや漫画が好きな人はいれど、業界に詳しい人があまりいなかったのかも。壁にぶつかってもそこから全く違うコンセプトのイベントに仕立てて、ここまできたのはやっぱりすごいですね。

▲2022年春先、アニメ関連のプロジェクト企画を説明するプレゼンの様子ですが、全員リンゴのPC持ってるあたり意識たけぇな!

ShimMyan
高い志を持ってるのは最初のイメージ通りだけど、キラキラしてるように見えて、結構泥くさく頑張ってるんだな〜……。
らむね
楽しみたい、面白いことをしたいって思いも強そうだよね。もしかすると案外アホな遊びにも乗り気で付き合ってくれるタイプかも。
S
楽しそうにいろんなお話聞かせてくれたのも嬉しい驚きですね。こんなに変な大人たちを相手にしてもオープンマインドでいてくれるの、嬉しい。やさしみを感じる。

今回はまず、Pompadourの中でも比較的若い一年生の形に自己紹介でバックグラウンドを教えていただきました。最初の印象は向上心・高い志を持った人たちなのかな?意識高い系なのかな?という感じで、陰キャ集団のウラロジ的には取材に及び腰でしたが(すみません)、実際今回お話しいただいた方達の等身大の姿はあんまり私たちと変わらないような印象を受けました。

プロジェクト自体も、アニメコラボイベントの段階では開催の実現も危ぶまれるほどでしたが、見事に練り直して今のランウェイイベントに発展。挫折も味わいつつ、それでも前向きに努力できる芯の強さと同時に、泥くさくても頑張る真摯な姿勢も強く感じられます。

 

……あれ?てか「ランウェイイベント」ってなんぞや?

 

今回のランウェイ企画ってどんなことやるの???

今回Pompadourさんは仙台市主催の青葉通仙台駅前エリア社会実験「MOVEMOVE」のなかで10月2日(日)「RUN your own WAY」をキャッチコピーとして青葉通EDEN横にてフリーランウェイ及びファッションショーを企画するようですね。

 

でも、ファッションショーとかランウェイって聞くと、なんかハードルが高い気がします……。(お洒落さんだったり、身長高い人だったり、そういう人ばっかりのイベントなんかな……。私お洒落とかよくわからんし、母親から買ってもらったもん着てるアラサーだからな……。)

ShimMyan:というわけで、今回のランウェイイベントについて教えてください。また、ご自分の役割についても教えてください!


鹿股さん:企画全体としては仙台の街中で自分の自己表現を通して、自分を好きになってもらい、また、その自己実現の場を提供するのがコンセプトだと思ってます。今まで知らなかった自分の魅力、そして仙台の魅力を、ランウェイを通して新たに知ってもらえたら嬉しいなと思います。

私自身は、もし参加者として歩くなら、長濱ねるちゃんみたいな感じの可愛らしいワンピースを着てみたいと思ってます。長濱ねるちゃんが憧れなんです!


磯野さん:ランウェイってお洒落に精通した人のものという印象があったんですが、今回の企画では誰もが自分の好きな格好で歩き回れる『多様性』のあるランウェイをイメージしてます。僕自身は広報に力を入れてまして……ポスターなどのデザインを担当してますので、それを見てもらって、多くの人に来てもらいたいですね。


千葉さん:「EDEN・旧さくら野らへんを、若者世代も取り込んで盛り上げたいんだけど」と仙台市の方からお話を振っていただいたところからはじまって、なんやかんやあって最初の構想から大きく変わった今回のプロジェクトですが、今はランウェイ企画に発展しました。

自己表現のひとつとしてファッションを軸に、コロナ禍で失われた時間を少しでも取り戻せるようなお祭り空間をつくれたらいいなと思っています私は主に渉外系のタスクを担当していて、関係者のmeetingに出たり諸連絡を担ったりしてます。アイディア出しとかはまだまだなので、今は対外的な面を頑張ってます!



Pompadourさんのなかで適材適所がされていて組織として全体最適になってるのがとても印象的でした。皆が自分の強みを各々の場所で生かしているようです。

まとめ

ShimMyan
何やら最初はえらい真面目な子達かつ意識の高い起業系サークルだと、色眼鏡ガチガチでみていましたが、話してみたら気さくで大変好意的な子ばかり特に、千葉さんがおっしゃられていた言葉「私みたいな陰キャも頑張ってるし、そんなに陽キャの人達も怖くないよ!」が大変彼らと私たちの距離感をグッと縮めてくれた気がしました。また組織としても当初のアニメ企画の挫折など一筋縄ではいかない部分を経験したりと大変人間的な魅力にあふれている団体さんでした!
らむね
なるほど!最初は本当にウラロジで取り上げるべきか他の団体さんに切り替えるべきか大変悩みました。というのも、当初のアニメ企画の段階の印象として私たちの色眼鏡も相まって、「ビジネスライクすぎるのでは」と思ってしまったところがあったんです。うちの編集部にはクリエイター活動をしているメンバーも多いから、余計に。ただ、密着取材を通して彼らのことを知っていく中で、真剣に取り組んで仙台をよりよくしたいという熱い気持ちが透けて見えてきました。また、各メンバーの背景を知ると、な〜んだ普通の子たちやん!って思えましたしね。私たちがウラロジ仙台を通して好きな自己実現をやっているのと同じように彼らもこのランウェイ企画を通じて自己実現をやっているんだな、と。

後編ではもう少しランウェイ企画の中身について&今回インタビューした唯一の4年生の方でPompadour創設メンバーを取り上げます。ますますPompadourさんのイベントおよび青葉通仙台駅前エリア社会実験「MOVEMOVE」が楽しみになってきました!

後編へ続く!

取材・執筆:ShimMyan
編集、制作等サポート:S
撮影:恐山R
取材協力:Pompadourの皆さん
enspace